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「禍福は糾える縄の如し」〜祝! 高木美帆、金メダル!!

ロバート・キャンベル氏が、<日本人は幸福と不幸はメビウスの輪のようにつながっていると考えている>、<それが故に、貯蓄率が高いなど『備え』を大切にする>と話していた。

それに関連するが、中国の故事から来た言葉で、「禍福は糾(あざな)える縄の如し」という言葉がある。新明解国語辞典(第八版)によると、<人生は、わざわいとしあわせとを縄のようにより合わせて出来ているものだというたとえ>という意味である。

まずは、次元の低い話。昨日、私は不幸に見舞われた。日生劇場で上演されているミュージカル、「ラマンチャの男」を観にいく予定だった。普通は、行かないタイプの舞台だのだが、松本白鸚のファイナル公演ということで、一度は観ておかないとと考えたのである。

2月6日に初日を迎えた公演だが、8日〜12日まで、感染者が出たため休演。その後、再開したので、大丈夫かと思っていたら、17日当日になって休演の連絡が来た。コロナ禍でも、それなりに舞台等には通い、幸いにも一度もこういう体験がなかった。今回も掠ったと思ったが、そううまくはいかなかった。

不運があれば、良いこともある。カーリングが見事に準決勝に滑り込み、気分良く帰宅すると、丁度オリンピックの女子1000Mが始まっていた。本当はライブでは見られなかったはずのレースである。

そして、結果は、ご存じの通り、高木美帆が遂に個人種目で悲願の金メダル。疲れ切った肉体で、完璧な滑りを披露した。

4年前、平昌五輪の時に放送されたNHKのドキュメンタリー、天才少女としてバンクーバー五輪に出場、しかし、2014年のソチ五輪の際は代表落選。遠瀬先のホテルでオリンピックのTV中継を見る高木美帆の姿が映し出された。画面を通して、悔しさが強烈に伝わってきた。あの天才にも、こんな時期があったのだ。

それでも、五輪は試練を与え続けた。今回こそは個人で金メダルを取って欲しいと見つめてきたが、シルバーコレクターとなり(それだけでも凄いことなのだが)、団体パシュートでもまさかの銀。

しかし、「禍福は糾える縄の如し」である。

休演は残念だったが、おかげでドラマを見届けることができた。さらに、その後に始まったノルディック複合団体で28年ぶりのメダル。最後まで続いた凄まじい競り合いを、体格差で明らかに不利な日本チームが粘り切った!

さらに、坂本花織が女子フィギュア、12年ぶりのメダル。ドーピング問題で、ちょっとモヤッとしているが、坂本は頑張った! (早寝早起きの私は、観ていなかったが…)

「禍福は〜」は、司馬遷「史記」の一節がもとで、<戦いにおいて失敗を逆に成功に繋げた武将に対して、司馬遷がたたえた文章>から来ている。皆、たたえられるべき武将である。

オリンピック、間も無く閉幕。高木菜那、ガンバレ!


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