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NFL知ったかぶり(2024ー25年シーズン終了)〜予想だにしなかったクライマックス
第59回スーパーボウル、王者カンザスシティ・チーフスの3連覇ならず。フィラデルフィア・イーグルスが2度目の戴冠。
それにしても、予想だにしなかった展開。最終スコアは40−22だけれど、前半終わって24−0、最大得点差時が34−0。最後のチーフスの2TDは事実上試合の決着がついてからの得点。要は、イーグルスが完膚なきまでに王者を打ち負かした。
MVPはイーグルスQBジェイレン・ハーツだが、真のMVPはイーグルス守備陣である。若きディフェンス・ラインと、2人のルーキーCB Quinyon MitchellとCooper DeJeanもしっかり機能した。DeJeanは10−0とリードした第2Qに、試合の趨勢を決めるインターセプト・タッチダウン。しかも、この日は22歳(!)の誕生日。
派手なターンオーバーのみならず、前半はチーフスの攻撃をシャットダウン。ファースト・ダウンは第1プレイの1回のみ。プレイ・コールの適切性に疑問符が打たれたが、少なくとも前半はイーグルスのディフェンスが、名将アンディー・リードに考える余裕すら与えなかった。同時に、苦しい時のホットライン、QBマホームズーTEケルシーが機能しなかった。
私は戦前、<“力“のイーグルス、“試合巧者“チーフス>とし、イーグルスは点差を離していきたいと書いたが、予想を大きく上回る出来。
イーグルスは、すべてがうまく回転し、一方のチーフスは相手RBバークリーこそ抑えたが、シーズン通じての不安材料が一気に噴出したという印象である。
今シーズンのチーフス、QBマホームズの神がかり的なプレイが、これまでに比べて鳴りを潜めていた気がしていた。その象徴とも言えるプレイが、前半終了直前のターンオーバー。自陣深い位置からの攻撃、イーグルスのプレッシャーに耐えつつ投げたボールが、イーグルスLBのZach Bainの手に吸い込まれる。イーグルスは、このチャンスをしっかりタッチダウンにつなげた。
後半、チーフスHCリードが如何に立て直すかが注目され、最初の攻撃でようやくファースト・ダウン取り、工夫の跡が垣間見られたのだが続かず。次のイーグルスの攻撃は、第3Q残り5:18までしっかりと時間を消費した上で、フィールド・ゴールを決めて27−0。ここで試合は事実上決着した。
2019年、そして2022−23年シーズンのスーパーボウルを制したカンザスシティ・チーフスを、米メディアは“Dynasty"と称した。王朝・治世ということだが、その三連覇を阻んだのが、イーグルス。
チーフスの前に“Dynasty“と呼ばれたのは、名QBで“GOAT“と言われたトム・ブレイディが率いたニューイングランド・ペイトリオッツ。2001年シーズンに初のスーパーボウル制覇の後、2003年、2004年、2014年、2016年、2018年にチャンピオンになっているのだが、勝っていれば、三連覇となっていたはずの2017年シーズンで対戦したのがフィラデルフィア・イーグルスだった。
なんてことを考えながら、今シーズンのNFLも終わってしまった。それでは、来シーズンまでさようなら!
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