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北斎でお腹いっぱい〜「北斎づくし」@東京ミッドタウン

7月22日、東京ミッドタウンで生誕260年記念の特別展「北斎づくし」が始まったので、2日目の23日に訪れた。

葛飾北斎の有名な3つのシリーズ、「北斎漫画」「富嶽三十六景」「富嶽百景」の全てが公開されている。 場内の装飾含め、まさしく「北斎づくし」である。

「北斎漫画」というのは、葛飾北斎が出した、絵の手本集である。一冊目が出版されると、人気を呼び、続編が出ることとなり、結局15編まで続くこととなる。この展覧会では、その全てを見ることができる。

ありとあらゆるものが描かれており、その凄いところは、全てが生き生きとしていて、紙から飛び出んばかり。もちろん、そこには北斎の遊び心が散りばめられており、絵の手本としてのみならず、優れたエンターテイメントとして、江戸の人々に愛されたであろうことが見える。

「富嶽三十六景」、言うまでもなく富士山をテーマにした名所絵、版画である。あまりにも有名な、「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」から始まり、36枚では留まらず、人気が出たため10作が追加となり、46枚の連作となった。

日本橋駿河台下目黒といった、私の身近な場所もある。江戸の世は各所から富士山が見えたのだ。 但し、「富嶽三十六景」は必ずしも、実際に見えている景色を描いたものではなく、それをベースに北斎の絵心を駆使した、空想の世界でもある。虚と実が見事に混じり合う北斎ワールド、こちらも46枚全て見ることができる。

ちなみに、岩波文庫から出ている、「北斎 富嶽三十六景」は、小さい図版ではあるが、46枚全てがカラーで掲載され、解説が付された手軽なガイドだと思う。

そして、「富嶽百景」は、半紙本である。 「三十六景」は場所を特定しているが、「百景」は富士が見える場所のみならず、ありとあらゆる角度から富士山を描いていて、執念すら感じる。ダイヤモンド富士は、北斎がすでに表現していた。(写真参照)

これも、全ページ見ることができるが、そろそろ、私は北斎を詰め込みすぎてお腹一杯の状態にならんとしていた。

北斎を堪能できる展覧会、おすすめである。時間指定予約が必要、館内はそれなりの混雑ではあったことを申し添えておく


献立日記(2021/8/10)
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