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「SHOGUN 将軍」シーズン1がエミー賞受賞〜時代劇は“国境を越えた“

真田広之のドラマ「SHOGUN 将軍」、ディズニープラスで配信(DVDも発売中)されているが、ダブリン行きのフライト中に観始め、今朝(9月16日)ジムでウォーキングしながら最終の第10話をフィニッシュした。

タイミング良く、エミー賞の発表があり、本作は作品賞、真田広之の主演男優賞など、史上最高の18部門で賞を獲得した。

1600年、舞台は太閤殿下が逝去した後の日本、若き後継を補佐する形で、石堂和成(平岳大)以下、五人の大老が政治をつかさどる。長年、カトリック教徒のポルトガル人が日本との交易を独占、ライバルのプロテスタントには日本の存在を隠していた。

こうした状況の中、オランダ船が網代に漂着する。イギリス人の船長ブラックソーンなど生き残った船員は、当地の侍・樫木央海(金井浩人)に捕われる。央海は樫木薮重(浅野忠信)の家臣、そして彼らは大老の一人、吉井虎永(真田広之)に仕えている。

虎永と、大坂を拠点とする他の大老との微妙な関係、政治的な駆け引き。ブラックソーンは、按針と名を変え、時代の波に絡め取られていくと共に、日本を見る西洋人の視点を提供する。

原作は、イギリス人ジェームス・クラヴェルの「将軍」。1975年に出版され、英米でベストセラーとなった。

当初は少し不安があった。西洋人の描く“変な日本“になっているのではないかと。そんな心配は無用だった。真田広之がプロデューサーとして名を連ねていることあり、骨太の見応えある作品になっている。

前述の通り、史実をモデルにはしているものの、前述の通り、人物名は変えている。これは、きっとあの人だろうと想像しながら観ていたが、Wikipediaにはしっかり答えが記されていた。

モデルとはしながらも、史実にとらわれすぎないことにより、ドラマとしての自由度が高まり、それが本作を面白いものにしているのではないだろうか。

日刊スポーツで、映画ジャーナリストの立田敦子氏が、本作を「ゲーム・オブ・スローンズ」と対比させていた。海外で受けている理由の一つには、“リアル“なファンタジーとして観られているところもあるのかもしれない。

真田広之は、もちろん存在感たっぷりなのだけれど、按針の通詞(通訳)となる戸田鞠子(アンナ・サワイ)が、なんともエキゾチックな魅力を放っている。こちらも見事主演女優賞獲得。

シーズン1は、まだまだ序の口、虎永=真田広之の活躍はこれから。S2が楽しみである。

なお、エミー賞授賞式での真田のスピーチが感動的。「日本語で良いか」とし、「時代劇を継承し、支えてきた人たちに感謝したい。情熱と夢は海を渡り、国境を越えました」と述べた。
こちらは主演男優賞受賞スピーチ

なお、ドラマをバックに、原作も復刊された。イギリス人が書いた「将軍」なんてと思い、読もうと思わなかったのだが、ちょっと食指が動いている


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