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定点観測:天一 自由が丘店(その3)〜春の兆しと冬の名残
「天一 自由が丘店」の定点観測、少し春めいた天気となった2月27日訪問。この日は、妻、義妹と3人連れである。
カウンターの中には、山菜が色々並んでいる。こごみ、タラの芽などなど。魚介も春を感じさせてくれているネタが入っている。
この日は才巻き海老をスキップして春子鯛(かすごだい)から。地域を選ばなければ、通年食べられるようだが、この店で遭遇するのは初めて。大きさは天ぷらにぴったりで、名前からして、そしてそのフワッとした食感から、やはり“春“が似合う。
そして、白魚。三代目桂三木助がまくらで使っていた芭蕉の句、「明ぼのや白魚しろきこと一寸」をいつも思い出す。「白魚」はもちろん“春“の季語だ。仲良く集団になった一寸(約3cm)程度の白魚が、サクッと口の中に入る。そして、中身が見事なレアに揚がったすみイカ。
春を流そう、次は山菜である。タラの芽、そして初めて知った“つぼみ菜“と言う野菜。料理人曰く、「八百屋が是非使ってくれと言うので入れてみたが、美味しいですよ」。菜の花の仲間のようだが、形は芽キャベツのような丸形、これが天ぷらになかなか合う。
隣の妹が「カキが美味しい」と言うので、冬の名残も食してみる。岩手産のカキは、何もつけずともほのかな塩味があり、海の香りが口中に広がる。
やっぱり外せないメゴチを挟み、再度春の味へ。フキノトウ、この複雑な苦み、この季節だけの幸福である。そしてウドの芽。食感の違い、味の変化を楽しむ。
最後、この日はハシラのかき揚げで天ばら。かわいそうに最後まで海老の出番がなかった