手の中の音楽6〜“クィーンの日”そして「オペラ座の夜」

今日、4月17日は、“クィーンの日”だそうである。1975年、“シアー・ハート・アタック”ツアーで、初の日本公演を行うため、ロックバンド“クィーン”が初めて日本の地を踏んだ日を記念日とした。当時、私は中学2年、まだロックコンサートに行く年齢にはなっていなかった。

それでも、この年の暮れに発売される名盤「オペラ座の夜」は発売後それほど時を経ずに手に入れ、何度も聴いた。1曲目のハードロックナンバー、“Death on Two Legs”でぶっとばされたと思いきや、“Lazing on a Sunday Afternoon”で、ハードロックとは縁遠いリラックスした日常に連れて行かれる。このようにA面は、メンバー4人全員が曲作りに参画し、その絶妙のコラボレーションが、強弱織り交ぜ変化する曲調を通じ、厚みのある作品を作り出す。

そしてロック史に燦然と輝くB面である。“The Prophet's Songー預言者の歌”は、こう始まる。<地球の人々よ、「警告を聴け」と預言者の男は言った。押し寄せる嵐に気をつけろ。賢者に耳を傾けろ(拙訳)>。長く続くこの曲の後に来るのが、超名曲“Love of My Life”である。ブライアン・メイ作の“Good Company”が挟まり、説明の必要のない“Bohemian Rhapsody”に続く。

こうして書いていると、一つの交響曲のようにも思える。テーマを提示する“The Prohet's Song”、緩徐楽章に相当する“Love of My Life”、“Good Company”はちょっとふざけたスケルツォ、そしてフィナーレの最終楽章となる。そして、AB面通じて展開された、オペラのようなドラマは、最後のイギリス国歌で締め括られる。

本作のツアー、日本公演は1976年、これも行くことは叶わなかった。結局、クイーンを観ることはなかった。ポール・ロジャース+クィーンは行ったが、あれは“クィーンを観た”とは言わないだろう。一つの理由は、本作に続いて出た「華麗なるレースーA Day at the Race」以降、少し自分のテイストから外れたように思ったこともあるだろう。

フレディ・マーキュリーのライブを体験できなかったこと。後悔していることの一つである 



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