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「ミニ冷やし中華」を食べ比べる〜朝食“朝冷中“プロジェクト(その2)

(承前)

ローソンに続いて、セブンイレブンである。このミニ冷やし中華(388.80円〜セブンは小数点2位まで表示する)を見るやいなや、「コンビニの王者はセブンである」との強いメッセージ性を感じる。ローソンのトッピング、ゆで卵、錦糸卵、ハム、キュウリ、紅しょうがに加え、トマトとワカメを加え、力でねじ伏せようとしている。

トマトと紅しょうがで赤をより際立たせ、冷やし中華の祝祭感を演出している。また、トマトによるリコピン、ワカメによる食物繊維とミネラルの摂取と、美容効果も狙っている。ちなみに、栄養成分表によると、食物繊維量はローソンの1.6gに対し、2.6gである。

味の方だが、セブンは“さっぱり醤油スープ“と謳っているが、ローソンに比べ酢の味が立っている気がする。それは悪い意味ではなく、冷やし中華に求める酸味がしっかり出ているということである。ここにも、セブンの冷やし中華における健康志向が出ているのかもしれない。トッピングの豪華さも含め、一段上をいく冷やし中華である。

次はファミリーマートだが、その前に大手スーパーものを。コンビニ以外では買ったことなかったのだが、このプロジェクトを開始したこともあり、東急ストアの惣菜コーナーものぞいてみた。すると、ここにも“ミニ冷やし中華“がある。いかに需要が大きい商品か分かる。

まず目をひくのが価格である。322円と、セブン・ローソンに比べ70円近く安い。やはりコンビニとの対抗上、大手スーパーは価格で勝負するのか。トッピングは、錦糸卵、キュウリ、ワカメ、紅しょうがとなり、ゆで卵がない。その代わりでもないだろうが、ハムではなく焼豚である。

食べてみよう。ん、ちょっと甘味が強い。いわゆる市販の冷やし中華スープのイメージである。これはいかん。私には合わない。厳しい表現をすると、コンビニのような自社における涙ぐましい商品開発の成果のようなものは感じられず、仕入れてきたものをそのまま販売しているような感じである。事実はどうか分からないが、味の印象はそうである。

気を取り直して、ファミリーマート(370円)に進もう。ローソン、セブンとの最大の違いはゆで卵が入っていないこと。ゆで卵のインパクトの大きさを考えると、これはかなり思い切った判断である。そして、東急ストア同様、ハムではなく焼豚を投入、それも“炙りチャーシュー“と称し、差別化の切り札にしている様子。

その他、トッピングは錦糸卵、キュウリ、紅しょうがという定番に加え、もやしを入れて体操・白井健三選手のように、“ひねり“を利かせている。

さて、そのチャーシューを一口食べると、流石に“売り“にしているだけあって美味しい。この焼豚を求めて、ファミマの冷やし中華を選ぶ人もいるだろう。麺の方に進むと、スープは酸味を抑えている一方で、深みのある味に仕上がっており、チャーシュー、もやしもあいまって、冷やし中華を一歩進めて“冷やし中華そば“を展望しているような感がある。

こうなると、ファミマについての議論は、やはりゆで卵問題に戻るだろう。妻は“朝冷中“などやらないが、ゆで卵の入らない冷やし中華は絶対認めない。同様の人は恐らく多いと思われる。しかし、考えてみると、「ゆで卵くらい自分で作って添えればいいじゃないか」。事実、私はファミマを食べる際は、ゆで卵を添えた(ただし、ファミマの評価からは、厳密に排除した)。100圴で買ったレンジでできるゆで卵器を愛用しているので、7分チンして余熱を入れれば簡単にできる。

考慮すべきはコストである。再度値段を並べてみよう、ローソン387円、セブン388.80円、そしてファミマ370円。この17〜19円という価格差の設定が絶妙である。

ゆで卵問題の解決方法として、最も安直なのがコンビニで売っているゆで卵を買うということである。ファミマの「半熟ゆで卵」、理想的な仕上がりとほんのり塩味で88円。ミニ冷やし中華に入っているのは、半分なので44円である。したがって、これは手軽だが価格差で埋めることはできない。

一方で、よりコストを意識した解法は、私が実施した、家でゆで卵を作るである。卵1個は大体20円前後なので、半分10円とすれば、価格差の範囲に十分収まり、ファミマのゆで卵問題を解決する。

結論である、コンビニのミニ冷やし中華は、3社ともそれぞれに特徴があり、味の違いを楽しめる、素晴らしい商品に仕上がっている。ファミマの場合、ゆで卵問題という重大なテーマが提示されているが、そこには価格差で埋めることができる解決策が存在する。その深謀も素晴らしい。

私の好みでは、総合力でセブンが若干リードしているが、ローソンの潔さ、ファミマのチャーシューも捨てがたい。

さて、明日はどの“朝冷中“にしようかな


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