手の中の音楽15〜謎のユニットと竹内まりや2.0「VARIETY」(その2)
11月3日、竹内まりやのアルバム「VARIETY」が音楽配信サービスで解禁になった。私はCDから取り込んでいたので、気にしていなかったが、今回のラジオ番組をきっかけに、未だ配信されていないアルバムがあることを認知した。
竹内まりやは、1978年にアルバム・デビュー、1981年までにRCAから5枚のアルバムを出す。その最後のアルバム「PORTRAIT」の後の81年末、アイドル的な扱いや、多忙なスケジュールもあり休業生活に入る。1982年、山下達郎と結婚、家庭に入りながら、他の歌手への楽曲提供を続ける。
その頃、山下達郎らはレコード・レーベル「ムーン・レコード」を立ち上げており、竹内まりやも移籍。前回書いたTOKYO FMの番組「Radio Turntable」で、山下は所属アーチストの竹内まりやを、いかにプロモートしていくかを考えていたと話していた。
そんな中、竹内まりやが自身が歌う前提で作った“プラスティック・ラブ”などの楽曲のクオリティに山下は感心し、「シンガーソング・ライター」として再出発するのが良いと判断したそうである。
こうして、竹内まりや2.0とでも言うべき、アップグレードされた竹内まりやが1982年に発表したアルバムが「VARIETY」である。
全曲が竹内まりやの作詞・作曲、山下達郎の編曲、これによって竹内まりやは意見が言いやすい環境となり、自身のイメージする音作りが可能になった。
1曲目の“もう一度”、男女の歌ではあるが、男性を音楽に重ね合わせているようにも聞こえる。大好きだった音楽と一旦別れたけれど、“♫輝いていた頃の 私に戻って”と唄う、私には復帰の決意宣言の曲に感じる。この曲はアルバムから最初にシングル・カットされたが、カップリングされたのが “本気でオンリーユー(Let's Get Married)”、結婚披露宴の定番曲となる作品であり、山下との結婚が背景にあるだろう。
アナログ盤のB面最初が、“アンフィシアターの夜”、ライブのシーンを歌った曲であり、ステージで歌う事もイメージされた楽曲。ただし、竹内まりやが本格的にライブに戻るのは2000年と、20年近く後となる。
“マージービートで唄わせて”は、彼女の原点とも言えるビートルズへのオマージュ、この曲にも音楽に対する想いが感じられる。その他にも、Jazzyな作品、ボサノバ調など、アルバム・タイトルの通り、多様な作品が詰まった作品に仕上がっている。
今回配信となっているのは、“30th Anniversary Edition”、さらに10年近くが経過しているが、古さは全く感じられない名作である。ここから、新しい竹内まりやが始まる
尚、本作、次作の「REQUEST」、「プラスチック・ラブ」のシングルが、11月3日に限定生産アナログ盤で発売され、いずれもオリコン・チャートに顔を出した。息の長い進撃が続いている
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