日本大学の薬物事件に思う(その2)〜関東学生アメフト連盟の結論
(承前)
残念ながら、関東学生連盟の下した結論は、日大アメフト部の当面出場停止であった。
日刊スポーツによると、日大側は「部員1名による薬物単純所持という個人犯罪であり、個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになる」として、9月2日から始まるリーグ戦への参加意向を示した。
しかし、関東学連は拒否。4点の「宿題」を提示し、これがクリアできれば1ヶ月後から出場を許可。ただし、対戦は参考試合扱いというものだった。
関東学連のHPにも掲示されているが、その「宿題」つまり処分理由は次の4点である。なお、<当連盟はもとより「連帯責任」を求める方針はありません>という前提の下である。
①日大アメフト部側から、逮捕された部員以外の部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない旨が示されたこと
②逮捕された部員以外の部の関係者に違法薬物を使用した者が存在している疑いが払拭できないこと
③再発防止策の提示ならびにその実施がなされていないこと
④部関係者(指導者、学生を含む)の責任の所在が明らかでないこと
学連は、<大学が十分な事実解明をなさず、かつ、同部が責任の所在を明確化していないため、現段階では同部全体を処分せざるを得ず、これは連帯責任以前の問題>としている。
これだけの大ごとになった中、日大側の「出たいです」に対し、「はい、わかりました」とは言えない状況の中の対応のようにも見える。9月2日まではまだ時間があるのだから、条件付き〜「宿題付き」の出場許可でもよかったようには思う。
①②については、どのような対応を期待しているのだろう。同様のことが他大学で起きた時の基準にもなるはずである。
もっとも、問題が起きた時の対応の基本は、その問題が現在は消滅しているか、真因の分析、責任の明確化、再発防止策の提示である。それが、説得力ある形で提示できていなかったすれば、日大側の落ち度もあるだろう。
それにしても、「連帯責任を求める方針ではない」中、今季の事実上の活動停止まで一気に踏み込んだことが本当に適当なのか。個人的には、やや疑問である。
加えて、関東学連は本件を他山の石として、各大学に対して注意喚起をすべきだし、それを対外的にも強く打ち出すべきだと思う。
日大問題に隠れているが、東京農業大学ボクシング部では、3人目の逮捕者が出た。各校共通の、根深い問題であり、日大だけを表層的に罰しても決して“真因“を撲滅することはできない