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庵野秀明の実像〜“エヴァをめぐる冒険”(その6)
「シン・エヴァンゲリオン」について書いたが、“終劇”とはならず、いまだに“めぐって”いる。Amazon Prime Videoにある2つのドキュメントを見た。
「エヴァンゲリオン」は、その作者である庵野秀明のことを知りたくなる。そんな作品である。
一つ目は、「さようなら全てのエヴァンゲリオン〜庵野秀明の1214日〜」、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」の拡大版である。(たまさか、今日(11/24)、BS1で「ザ・ベストテレビ2021」という企画で、今年を代表するドキュメンタリーとして再放送されていた)
冒頭で、ジブリの鈴木敏夫が「庵野って万年青年、もう60になろうっていうのに大人にならないのよ」、「大人になりかったのだろうけど、結局大人になり損ねた人」「だってシンジくんなんか見てたらそうじゃない、迷える子羊〜ストレイシープ、まさしくそれ」「本人がそうだしね、描いているものもそれ」。そしてこれが観るものの共感を呼ぶのだと語る。
まさしく、「エヴァ」を通じて、そのことを感じるが故に、庵野秀明という人を理解したくなるのである。
庵野は関与する人々のアイデアをできる限り作品に導入しようとする。より良き作品にするための、”大人”の対応である。一方で、自分が満足できない仕事はできない。“大人”になろうとする“青年”の姿が、このドキュメンタリーの中で映しだされる。
そして、以前にも書いたが庵野秀明は観客を第一に考える、サービス精神旺盛の人物である。このドキュメンタリーも、作品につながる仕事であり、それが故に制作サイドに口出しすることを止められない。
後編では「エヴァンゲリオン」につながる、父親のエピソードが語られる。そして、TVシリーズ後に打ちのめされたこと、「エヴァ」の呪縛。 「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の後、自分の力では完結できないと思い、心が折れたこと。
まさしく庵野秀明が、自らを削って完結させた作品であることがよく分かる。
二つ目は、松本人志との対談。シャイで真面目な二人の天才クリエーターの対話である。さまざまな視座が提示される、聞き応えのある対話である。長くなったので、嬉しかったコメントを2つ。
松本人志は、「“漫才”とどう決着をつけるか」を考えていること。庵野秀明の方は、「もう少し撮りたいもの」はあり、「アニメか実写かは方法論」であると語り、アニメを撮る可能性を否定しなかった。
「シン・ウルトラマン」も楽しみだが、「エヴァ」の先も見てみたい
献立日記(2021/11/23)
牛肉となすの柚子こしょう煮
菜の花の辛子和え
ミニトマトとグリーンリーフのサラダ
小絹揚げ焼き