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「僕のフレンチ」@“I’M A SHOW“〜1989年から続く素敵なショー

当たり前だけれど、世の中にはまだまだ知らないことがあります。大抵の場合、偶然によりそうしたものに出会います。

「ア・ラ・カルト公認レストラン 僕のフレンチ」という公演、元々は妻が友人に誘われて行く予定だったもの。私は、自分は関係ないので、特に注意を払っていませんでした。

ところが、妻の友人が体調不良、チケットが私の方に回ってきました。急遽、内容をチェックすると、なかなかに面白そうな舞台じゃないですか。

1989年、青山円形劇場で始まった公演「ア・ラ・カルト」。女優・演出家の高泉淳子が、音楽家・バイオリニストの中西俊博が作る、レストランを舞台にした、芝居と音楽を組み合わせたステージ。2015年1月に青山円形劇場は閉館となるのですが、それまでクリスマスの風物詩としてロングラン公演となっていたそうです。失礼ながら、全然知りませんでした。

その後、2019年に常連客の高橋が「ア・ラ・カルト」のオーナーを引き継ぎ、「僕のフレンチ」というレストランを開店したという設定で、再び公演が再開されたとのことです。

まずステージに登場したのは、バイオリン・音楽監修の中西俊博、長髪・白髪、長ーいお髭、ヨーロッパの辻音楽師のようです。ギターに竹中俊二、アコーディオン 佐藤芳明、ウッド・ベース Brent Nussey。演奏するのは、中西の“Good Old Summer Days“。

そして、レストランの制服姿の高泉淳子が登場、レストラン経営者の「高橋です!」と自己紹介し、テーマ曲“僕のレストラン“を歌います。

こうして始まったステージ、舞台上にはテーブルが3つ、3人のギャルソンが登場し、お客さまを迎えるべく、テーブル・セットにいそしみます。そして登場したのは、真っ赤なワンピースに着替えた高泉、クリスマス・ディナーを1人で楽しもうという女性役です。

ギャルソンは、ドラマのバイ・ブレーヤーとしてよく見かける、小林隆、劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」の中山祐一朗、歌手のレジョン・ルイ(彼との関係で本公演に来ることになりました)。

舞台は、こうして音楽、レストランでの一コマが続くオムニバス形式のお芝居(高泉淳子は何役もこなします)とで進行していきます。

日替わりでゲストが登場しますが、この日(12月12日)は、ミュージカル俳優の石井一孝。後半の“Show Time“では、ミュージカル「ジキルとハイド」から、“First Transformation & Alive‘を披露、素晴らしい歌声を聴かせてくれました。

こんなオシャレで楽しい舞台があったなんて、しかも長く続けている。それだけ、固定ファンをしっかりと引きつけているのだと思います。高泉淳子の創作力、演出力、そして芸達者なパフォーマンス、素晴らしいですね。

もう一つ知らなかったこと。有楽町にこんな素敵な小屋があったのですね。マリオン別館の“I'M A SHOW(アイマショウ)“。400席弱と丁度よいキャパシティ、座席にはドリンクホルダーがついていて、お酒飲みながらの鑑賞可。大人の遊び場という感じです。

この舞台の留意点一つ。レストラン「僕のフレンチ」では、様々な料理、ワインが提供されます。お腹空くこと必至、開演前にサンドイッチをつまんでいたので助かりました。

有楽町では12月15日の日曜日まで、12月21・22日は渋谷セルリアン・タワーの「JZ Brat」(Sold Out)。

12月19日まで、アーカイブ配信もあります


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