飲酒年齢をどう考えるのか〜アメリカ、イギリス、そして日本(その2)
(承前)
慶應大学のアメリカンフットボール部の活動停止。公式発表はこうである;
このニュースを見て、「今の大学生は気の毒だなぁ」と思った。私の頃は、高校を卒業したら飲酒はOKだった。社会も、法律はさておき、(度を過ごさない限り)容認していた。もちろん、酒の上での失敗も数限りなくやったが(そして、それは20歳になったからといって治るわけではなく、むしろ悪化した)、人とのつながりを中心に得るものも多くあった。
文春オンラインの記事によると、新大阪駅で電車待ちの1時間20分程度の自由時間中、夕食を取った部員が飲酒、明らかに酔った様子で新幹線に乗り込んだ。車中、主将らがヒアリングし、飲酒が発覚したとのこと。想像するに、中に20歳未満がいたことが処分を厳しくし、飲酒年齢に達していた部員も部則違反で厳罰(退部)に処せられたのだろう。
昨年から成人年齢が18歳となり、飲酒についても当然そうなるのだろうと思っていたが、なぜかならなかった。理由を探してみると、国税庁のページに「20歳未満の者がお酒を飲んではいけない五つの理由」が掲載されていた。警視庁も同様のポスターを作成していた。
1 脳の機能を低下させます
2 肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくなります
3 性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがあります
4 アルコール依存症になりやすくなります
5 20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律があります
私には5以外は、理由にはなっていないように見える。仮に、18歳からの飲酒が1~4を引き起こす可能性が本当にあるのならば、もっと本気で20歳未満の飲酒を止めなければならない。いや、20歳未満だけの問題なのだろうか。
しかしながら、コンビニなどではお酒は買いたい放題である。飲食店でも、身分証明書の提示を求められている場面を見たことがない。つまり、社会としては高校を卒業したに相当する世代の飲酒を実態としては認めており、行政として「それはダメ」という明示的なアクションを示しているとは、とても思えない。
昨日、イギリスの飲酒年齢は18歳と書いたが、ルールに反することについては厳しい。飲酒年齢は18歳だが、25歳未満に見える時はIDの提示を要求するという枠組みが多くのパブや酒屋で導入されている。
大学組織において、飲酒に関する規則はこれまでもあったろうし、必要であることは認める。
もちろん、法律上はNG、また部則違反であり、一定の処分は必要だろうが、“退部“とは。。。。記事を見る限り、部としては自律的に対応しており、事後対応も評価すべきだと思う。社会全体の運用のゆるさを考えると、一定程度の寛容さは必要ではないだろうか。うがった見方かもしれないが、大学側は自分たちを守ることを優先し、学生が犠牲になっているようにも思える。
そして、抜本的なルールの変更、飲酒年齢と成人年齢の合致が必要だと私は思う
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