旅の記憶35(その1)〜ストーンヘンジとバース
昨日、C・W・クレイヴンのミステリー小説「ストーンサークルの殺人」を紹介しました。ロンドン赴任時代、小説の舞台となった湖水地方含むカンブリア州には結局行けずじまいだったのですが、ロンドンから比較的手軽に行けるストーンサークル、“ストーンヘンジ“には旅行しました。
ロンドンから西に2時間弱車で走ると、右手に石が固まって立っている遺跡のようなものが見えます。遠いのでその大きさはよく分からないのですが、とにかく不思議なものの存在が知れます。
幹線道路を離れ遺跡に近づくにつれ、その巨大さが徐々に判明します。English Heritageの公式サイトによると、今から5000年ほど前から、何年もかかってストーンヘンジは作られたと考えられています。石によっては、250km以上離れた場所から運ばれてきたと考えられているのですが、どのような方法で運搬されたかは謎です。
遺跡見学のためのオーディオガイドがあり、日本語のそれを借りてサークル状に配置された巨石を見てまわりました。ガイドは立つべき石を指定してくれるので、それに従って移動し、この遺跡についての解説を聞くのです。
ストーンヘンジが何の目的で建設されたのかは分かっていませんが、一種の宗教的な場所であるような空気を感じます。前述のサイトでもそうした見解が書かれています。
このサークル状に並んだ石から少し離れた場所に、Heal Stoneという石が置かれているのですが、サークルの中心を立ち位置にすると、夏至にはこのHeal Stoneの場所から太陽が登って来ます。また冬至にHeal Stoneの側に立つと、サークルへと日が沈んでいきます。このことから、太陽の動きと関連した宗教的建造物ではないかと考えられています。
このストーンヘンジとセットで訪れる人が多いのは、北西に1時間ほど車で走ったところにある街バース(Bath)です。お風呂〜バスの語源となったとも言われる街名、まさしくローマ時代の温泉浴場遺跡が博物館になっています。遺跡といっても、当時の状況を再現すべく作られていますので、2000年前の様子を体感することができます。
他にも、7世紀に創建されたバース寺院や、18世紀の美しい建築物ロイヤル・クレッセント(三日月状の集合住宅)があったりと、バース市街は世界遺産にも登録されています。
この魅力的な街バースで、ある事件が発生したのでした
(続く)
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