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「地の利」とプレッシャー〜萩野公介の涙
バドミントン女子ダブルス、メダルは確実、上手くいけば日本人同士の決勝戦ではと期待していた。それがメダル無しに終わるとは。まずナガマツが敗退した。3ゲームまでもつれたが、きっと最後には勝つだろうとiPadの画面を見ていた。実際、マッチポイントも握ったが、勝ちきれなかった。ギリギリの局面でアグレッシブに攻め続けた韓国ペアの気迫はすさまじかった。
そして、フクヒロも。こちらの最終ゲームは力尽きた感があり、広田の右足のサポーターが痛々しかった。コンディションの問題ももちろんあるだろうが、バドミントンの相次ぐ“まさか“を見ていると、地元開催のプレッシャー、より多くのものを背負ってしまう重圧を感じる。
一方で、「地の利」というものもある。柔道の快進撃を見ていると、日本武道館という「地」が支えているように思う。今回の競技会場の中で、選手にとって最も思い入れのある場所で競技ができるのは柔道ではないか。柔道家であれば、まず夢見るのは日本武道館で試合をすることだろう。
2019年の世界選手権、柔道を初めて生で観戦した。会場は日本武道館である。そこには日本の柔道を長年見つめてきた空気があった。柔道の聖地としての空気が、日本柔道界を後押ししているだろう。ちなみに、私が観た日は、丸山城志郎と阿部詩が優勝した。
今日は、男子最強を決める100kg超、原沢久喜が登場する。リオでは決勝でフランスのリネールに敗退した。当時は、ゴールデンスコア制ではなく、指導の数を勘案して勝敗を決めるルール。リネールが逃げまくって柔道にならずに負けた。金メダル、できれば五輪3連覇を狙うリネールと対戦して雪辱して欲しい。武道館は原沢の味方だ。
そして萩野公介の涙。メダルでもなく、敗退でもなく、決勝進出での涙。リオ以降、苦しかったのだろう。そして、決勝進出を「神様がくれた贈り物」と表現した。ヒトは、その力の及ばないことを整理するため、神様を信じる。オリンピックの随所に神様はいるだろう。
神様は贈り物をくれることもあるが、試練を与えることもある。それに対するアンサーは、感謝と克服である。大小さまざまだが、我々の日々はその積み重ねのように思う。柄にもないようなことを、私に考えさせてくれる、スポーツの力の一つだろう