イタリア人はナポリタンは“容認できない“のか(その3)〜「ジャポネ」へGO!
銀座に「ジャポネ」というスパゲティ屋がある。首都高下に銀座インズという商業施設があるが、その北の端、銀座一丁目側の最奥にある店である。
"店”とは言っても、カウンターだけの”飲食コーナー”といった風情である。無性にナポリタンが食べたくなり訪れたのが、平日11時40分頃、5人ほど空席待ちの行列ができている。9割方は男性客である。
カウンター越しにキッチンを覗くと、大量の茹でられたスパゲティがフライパンに放り込まれ、盛大に炒められていく。行列が絶えることはない上に、ひっきりなしに電話が鳴り、テイクアウトのオーダーが入る。
サーブされたナポリタンのレギュラー(並盛)550円は、まさしく昔の喫茶店で出されたような、外連味は全くない、フライパンから皿にナチュラルに盛られた姿である。(写真は食べかけではなく、出されたままである)卓上に置かれた粉チーズも、よくある細身のボディではなく、思う存分かけられるようなビッグサイズである。
遠慮なくチーズを振りかけ食する。これぞナポリタンという、普通のケチャップ味、でも嫌味はない。麺は、「アルデンテってなに?」という潔さがあり、太麺x炒めわざで、まさしく「ジャポネ」的なスパゲティになっている。
私がナポリの人だったら、きっと怒るだろう。しかし、これはイタリア料理を和食に進化させた、立派な一品である。イタリア人は…ダメだろうか。ちなみに、私の隣に座っていたのは金髪碧眼の欧米系の男性(イタリア系ではなかった)。体型含め、秋葉原にいそうなタイプだったが、美味しそうにナポリタンを食べていた。
「ジャポネ」の案内にはこうある。<店名通り日本人の味覚にあった味付けを自慢としております>、<ボリュームのあるスパゲティを和風・中華風・洋風12種類&カレーライスとバラエティーに富んだメニュー>を提供している。
シグネチャー・ディッシュは、店名そのままの”ジャポネ”、醤油味、具材は肉・椎茸・オニオン・小松菜の和風で、私的には絶対旨いやつである。洋風には”ナポリタン”と共に”バジリコ”というシソが入った塩味があるが、これと”ジャポネ”を合体させた、シソ入り醤油味の”ジャリコ”というものがあり、これを注文する人が多い気がする。
「ジャポネ」のもう一つの特徴はボリューム。私はレギュラーで十分だが、ジャンボ(大盛)、その上の横綱とあり、大盛オーダーが多い。皿に山盛りになっており、この店にはプレゼンテーションという概念はない。さらに、メニューにない、横綱の上の、”親方”、”理事長”というサイズもあるらしい。
なお、この手の店は「ロメスパ」というジャンルになる。「ロメ」は路面のことで、「ジャポネ」のような和風スパゲティ店をこう呼び、大手町の「リトル小岩井」、チェーン店の「ロメスパバルボア」などがある。
さて、ケチャップ嫌いのイタリア人にはナポリタンはNGとして、醤油味や塩味の「ジャポネ」のスパゲティは、イタリア人でも”容認する”のではないか。イタリア料理のパスタではなく、あくまでも日本食における焼きそばカテゴリーの一つとして食すれば、「ジャポネ」スパゲティは、イタリア人、特に男性はAcceptableだと思う。
実験したいなぁー
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