1971年の「紅白歌合戦」〜これは必見!NHKえらい!!
昔の大晦日、「紅白歌合戦」が楽しみでした。まさしく夢の共演でした。今は、歌っている人のほとんどが知らない人です。(歌っているフリの人もいる)。
1971年の「第22回紅白歌合戦」、NHKがビデオレストアを実施、リマスター版を放送しました。(12月14日・15日)。なお、放送後1週間はNHKプラスで見逃し配信。これは必見です!
会場は先代の東京宝塚劇場。NHKホールの運用開始は1973年からでした。先攻の白組司会は宮田輝アナウンサー。1974年の参議院選(全国区)でトップ当選する方です。紅組司会は水前寺清子、当時26歳。歌手としてのみならず、ドラマ「ありがとう」も大人気、50%を超える視聴率を記録していました。
白組トップバッターは尾崎紀世彦“また逢う日まで“。「紅白」開始の直前まで放送していた、「日本レコード大賞」で、大賞を受賞した楽曲。「『紅白』に間に合うのか?」とハラハラして観ていた覚えがあります。改めて見ると、「レコ大」の会場は帝国劇場で、東京宝塚劇場まではさほどの距離ではありません。それでも、入場行進に間に合っているので、さぞかし急行されたのでしょう。
紅組は南沙織、デビュー曲の“17才“、ミニスカートが眩しい。作曲は筒美京平で、このあとも筒美作品が続々登場します。
ちなみに「新三人娘」の、小柳ルミ子は“わたしの城下町“で初出場、天地真理は10月に“水色の恋“でデビュー、「紅白」初出場は翌1972年となりました。
和田アキ子が21歳、ちあきなおみ24歳、共に2回目の出場で、前半に登場します。はしだのりひことクライマックスの“花嫁“、当時すごく新鮮な音楽に感じましたが、「紅白」を観るとそれがよく分かります。
こうして書き始めるとキリがないのですが、とにかくこれぞ「紅白」という感じで、当たり前ですが、皆歌が上手く、存在感が凄い。大トリは、もちろん美空ひばりです。
NHKが偉かったのは、これをダイジェストにせず、フルで放送したこと。合間に登場する、“色物“がまた嬉しい。ドリフターズ、コント55号、正司敏江・玲司(よくこの漫才を起用しましたね)。
この年、出場歌手の坂本九が結婚したのですが、奥様の柏木由紀子もゲストで登場。驚くほど可愛い!
当時の朝ドラは「繭子ひとり」でしたが、主演の山口果林は審査員席に。共演者が舞台に登場、冨士真奈美はおきれいだし、「えっ、志ん朝さん」と思ったのは山田吾一でした(志ん朝さんは、これをネタにしていました)。審査員席には、関脇時代の貴ノ花、ボクシング世界フライ級王座でこの1年後に交通事故死する大場政夫の顔もあります。
審査といえば、獲得投票数を何度か中間発表、“歌合戦“というフォーマットを忠実に踏襲しているところも、新鮮でした。まさしく、出場者全員が歌で勝負しています。
この番組、NHK BSで大晦日に「紅白」の裏で放送したら嬉しいのに。そして、それを定番化して欲しい。まぁ無理でしょうけれど。
大晦日とは言わないので、是非、第23回もレストアして下さい!