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NHKがまたやってくれました!〜懐かしの「NHK紅白歌合戦〜第20回」(リマスター版)

NHKがまたやってくれました!

昨年12月に、第22回紅白歌合戦のリマスター版をノーカット放送。私は第23回もやってほしいと書きましたが、第20回の映像がリマスターされ、“放送100年企画“としてまるごと再放送されました。すでにカラー放送は始まっていましたが、白黒映像のリマスターです。

第20回は1969年、アポロ11号が月面着陸した年で、私は8歳でした。総合司会はNHKアナウンサー宮田輝、紅組司会・伊東ゆかり、白組司会が坂本九という布陣です。坂本九は前年に続いて、伊東ゆかりは初司会です。彼女のミニスカートが時代を感じさせます。

第22回同様、“歌合戦“というフォーマットが前面に出され、バンドも紅白別々に配置、前半・後半で交代するので原信夫とシャープス・アンド・フラッツなど4組が出演する豪華版。そして、当たり前ですが(今はそうではないのですが)、歌手陣は歌が本当に上手いのです。

トップバッターですが、第22回は初出場の尾崎紀世彦・南沙織という、いかにもフレッシュなスターが登場しましたが、第20回は青江三奈「池袋の女」という渋いスタート。もっとも、紅白の常連となる青江三奈もこの時はまだ3回目の出場、年齢も28歳でした。

小学校2年生の年、流石に全部の曲に記憶があるわけではないですが、半分くらいは覚えていました。“流行歌“という言葉が存在していた時代です。青江・布施明と来て、三番目に登場するのが初出場のいしだあゆみ、なんだかキラキラ輝いています。歌うのは、もちろん「ブルー・ライト・ヨコハマ」。学校でみんな歌っていた、橋本淳作詞・筒美京平作曲の大ヒット曲。

七番目のカルメン・マキ、初出場で「時には母のない子のように」を歌いますが、迫力がすごい。佐良直美と森山良子がギターで伴奏しました。寺山修司の作詞ですが、子供心に“なんだか恐ろしく暗い曲だなぁ“と思っていました。

感動的な歌唱が二人続きました。アイ・ジョージ「ククルクク・パロマ」。アイ・ジョージという人は、第11回から22回まで連続出場するのですが、ギター片手にメキシコの曲を歌い上げ、会場からは自然発生的に拍手が巻き起こります。

これに続くのが越路吹雪の「愛の讃歌」。これぞエンターテイナー、完全に彼女一人のために舞台であるかのような錯覚にかられ、最後は紅組歌手の単なる“応援“ではない、敬意を込めたスタンディング・オベーション。

ザ・キング・トーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」が聴けたのも嬉しかった。この曲も大ヒットして、小学生は皆知ってたと思います。当時は理解していなかったのですが、和製ドゥーワップです。キング・トーンズ同様、初出場が由紀さおり「夜明けのスキャット」。これにぶつけられたのがデューク・エイセス「筑波山麓合唱団」。これは子供の大好物でした。

弘田三枝子は「人形の家」で6回目の出場。ポップス路線から軌道修正し、作詞・なかにし礼、作曲・川口真の本作で、日本レコード大賞歌唱賞も獲得しました。

クレージー・キャッツ、ドリフターズが彩りを添えるのは定番として、金井克子のダンス、高橋英樹・浜木綿子(香川照之のお母さん)・古今亭志ん朝らによる寸劇も楽しい。

白組トリは、2回目出場、弱冠22歳の森進一「港町ブルース」。そして大トリは、やっぱり美空ひばり「別れてもありがとう」

いやぁ、堪能しました。NHKさん、引き続きどんどんリマスターしてください!

*NHKオンデマンドで視聴可能です

** Apple Musicにプレイリストがありました(残念ながら、アイ・ジョージはApple Musicでは配信がないようです)

***今朝、アイ・ジョージさんの訃報が流れました。ご冥福をお祈りしております。

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