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イングランドvsアルゼンチン戦が意味するもの〜ラグビー、オータム・ネーションズ・シリーズ開幕

欧州を舞台に、南半球や日本などを迎えてのテストマッチ、ラグビーのオータム・ネーションズ・シリーズが開幕した。

アイルランドが19-16で南アフリカを破り、力強さを示した。そして、イングランドはアルゼンチンに29-30で敗れるという衝撃のスタートとなった。

アルゼンチンが、ロンドンのトィッケナム・スタジアムで、最後にイングランドに勝ったのは2006年。さらに、2009年にホームで勝利しているが、その後は10連敗だった。

英Times紙の記事によると、イングランドのボール支配率は63%。タックル数はイングランドが56に対し、アルゼンチンは154。如何に、イングランドが試合をコントロールしていたかが分かる数字である。イングランドファンも、「アルゼンチンが相手だから、どうせ最後には逆転できるだろう」と考えていたのか、比較的静かな様相だった。

アルゼンチンの勝利が意味するものは何か。特に日本代表にとっては。

第一に、強豪国に勝つ戦術を改めて示した。アルゼンチンは、この夏、オーストラリア、そしてニュージーランドから勝利を挙げた。マイケル・チェイカがヘッドコーチ(HC)に就任し、明らかに変化したのだ。

アルゼンチンの武器は、ボフェリのキックである。追いすがるイングランドをあざけるかのように、PKを確実に決める。それだけではなく、イングランドの攻撃を耐えに耐え、2トライをあげる。

PKを確実に決め、ディフェンスを堅固に保ち、数少ないチャンスをものにする。 これができれば、ジャパンもトップティアと互角に戦えるはずである。その為には、上記のタックル数に示される通り、運動量を最後まで維持することが求められる。イングランドは、11月12日ジャパンと対戦する。

第二に、アルゼンチン戦の結果はBad Newsでもある。ジャパンは背水の陣となるイングランドと戦わなければならない。

エディ・ジョーンズHCは、この日の敗戦について「ワールドカップ(2023年)に向けての計画を優先させた結果」と語っている。確かに、色々試したい時期であり、アルゼンチンという対戦相手は丁度よい存在である。キャプテンのコートニー・ローズが脳震盪の影響で長期間の離脱を余儀なくされ、本来ロックのマロ・イトジェをフランカーに使うという、“試さざるを得ない“状況でもあった。

イングランドがアルゼンチンに勝っていたなら、土曜日の日本戦はさらに“色々試す“絶好の機会になり、そこにジャパンの勝機があったかもしれない。しかし、ジョーンズHCは「イングランドは“怒り“の反応を示して欲しい」と話している。

イングランドは、日本戦の後、オールブラックス、南アフリカとの対戦になる。この2戦に勝てる保証がない中、週末はまさしく“負けられない一戦“になるのだ。

第三に、イングランド戦でジャパンの真の立ち位置を確認できる。

悲観的になってばかりいても仕方がない。ジャパンは、日本でフランス、ニュージーランドと接戦を繰り広げた。ただし、両チームとも“色々試す“チーム構成であった。今回、“本気モード“のイングランドと対戦することによって、今の真の立ち位置を確認できるだろう。その意味でも、

最後に、強引にGood Newsを披露しよう。

ズバリ、アルゼンチンはピークを手前に持って来すぎた。エディーさんが言う通り、1987年のワールドカップ開始から一定の時間が経過し、ラグビーは伝統的な国と国とのテストマッチ中心から、4年に1度のワールドカップが中心となってきた。

今は、日本も含めて来年に向けてのチーム作りの最終フェーズである。イングランドは、この後、2月からのシックス・ネーションズで総仕上げとなる。ところが、アルゼンチンはこの時点で、強豪国に勝ってしまった。

日本はワールドカップで、イングランド、アルゼンチンと同プールである。アルゼンチンが、今の上昇カーブを維持したら、日本は勝つことができない。ただし、そんなに上手くはいかない。恐らく、アルゼンチンは今の調子を維持するのが精一杯で、日本はチーム作りを順調に進め、本番では勝利する。そうに違いない、知らんけど



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