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旅の記憶42〜恭喜發財! 香港で配ったお年玉

正確には“旅“ではなく、海外勤務の思い出なのだが、まぁそんなことはどうでもよい。

中国では春節〜旧正月を祝っているとのニュースが流れていた。おそらく、相当な数の人が中華圏から日本に旅行に来ていることだろう。

香港も、中国本土よりは若干短いが旧正月はホリデーシーズンとなる。私の住んでいたアパートの部屋からは、ビクトリア・ハーバーを見下ろすことができたので、毎年我が家には友人が集まり、旧正月を祝う花火を見て盛り上がった。

さて、旧正月にはお年玉を配る。香港には親戚の子供などいないので、出費はない。。。。とはいかない。香港では(おそらく他の中華圏においても)、子供のみならず、大人にも渡す。

香港では利是(ライシー)と呼ぶが、これを日頃お世話になっている人に、大々的に配る。まずは、住んでいるアパートのコンシェルジュやドアマン、メイドさん。休暇明けで、オフィスに行くと、Tea Ladyと言われる、毎朝コーヒーなどを持ってきてくれる女性、掃除の方々。

旧正月前には、ポチ袋、新券を用意する。関わり合いの濃淡によって金額を変えるので、イメージで言うと、300円、500円、1000円と3種類を用意し、それぞれ、色の違う袋に入れておく。

外出のために、アパートのロビーに降りると、通常以上に多くの人がいる。一人一人に、「あけましておめでとう」の代わりに、「恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)」、日本語では「お金もちになりますように」と言って、お年玉を配る。アパートの廊下で、清掃の人に会った時のため、ポケットにはお年玉を入れておく。

こうした日が続くと、「あれ、この人渡したっけ?」となる。念の為、お年玉を差し出すと、「ありがとう、でももう貰いましたよ」と言われることも。と言うことは、先方はよく覚えている。渡し忘れると。。。。

この時期に中華料理店に飲茶に行くと、常連客のテーブルには、店の人が入れ替わり立ち替わり挨拶に訪れ、お年玉を受け取っていく。

日頃の感謝を形で表すというのは、悪いことではないが、結構大変な季節だった。旧正月のニュースを見ながら、そんなことを思い出した

*旅の記憶41はこちら

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