手の中の音楽23〜ニューヨークのクリスマスを想像する1枚
かつての上司が、「冬の東京・丸の内は、世界一のオフィス街」と言っていました。今朝7時少し前、人気の少ない丸の内を歩くと、空は真っ青、イチョウ並木は黄金色に輝いていて、上司の言葉を改めて思い出します。
そんな今朝の通勤時に聴いていたのが、「Big Band Holidays」、ジャズ・アット・ザ・リンカーンセンター(JLCO)with ウィントン・マルサリスのアルバムです。 昨年に続いて、クリスマス・アルバムのご紹介です。
リンカーン・センターはNYにある芸術複合施設。メトロポリタン・オペラハウスやコンサート・ホール、渡辺謙の「王様と私」が上演された劇場などが並びます。JLCOはそこの常設ジャズ・オーケストラで、トランペット奏者のウィントン・マルサリスが音楽監督を務めます。
マルサリスは、言うまでもなくジャズ界のスター。音楽一家に生まれ、ジュリアード音楽院を卒業、グラミー賞を何度も獲得しています。調べたら、私と同い年でした。
毎年、JLCOはクリスマス・ライブを行いますが、その演奏から編集されたのが上記のアルバムです。
ボーカルには、グレゴリー・ポーター、セシル・マクロリン・サルヴァントというグラミー受賞者に、ルネ・マリーという豪華な布陣。
ビッグ・バンドならではの、祝祭感あふれる“Jingle Bell“で幕を開け、しっとりとしたスタンダード曲、ブルージーなナンバー、バラエティに富んだ構成で楽しませてくれます。東京にいながら、NYのクリスマスを少し感じられる、そんなアルバムです。
ボーカルも良いのですが、JLCOの手練による演奏が素晴らしい。NYに聴きに行きたくなりました。
私の好きな、“I'll Be Home for Christmas“も入ります。 戦場にいる兵士が、<夢の中だけでは、クリスマスに里帰りする>と歌います。クリスマス停戦もなさそうなウクライナ、日本の防衛費問題を思いました。
なお、ウィントン・マルサリスは3月に来日します。 ふと気になってJLCOのチケット代を調べてみました。 1階席の値段が130ドル〜180ドル、約18,000円〜25,000円。マルサリスの来日公演、サントリーホールのSS席18,000円、S席12,000円。日本はコンサートも割安になっています。
ついでに見つけましたが、JLCOの3月公演はピアニスト秋吉敏子(御歳93歳。今年、久方ぶりの来日を果たされたとNHKのニュースで放送していました)を讃えるコンサート。旦那さんのルー・タバキンも出演。素晴らしいです!!