“Man of Steal“ 、不世出の盗塁王リッキー・ヘンダーソンの訃報〜私と3つしか違わない
“Man of Steel“、‘鋼の男‘といえばスーパーマンだが、“Man of Steal“となると‘盗塁王‘のリッキー・ヘンダーソン。この偉大な野球選手の訃報が入ってきた。
1979年、20歳でMLBデビュー、球団はオークランド・アスレチックス。そしてよく80年には打率.303、そして100盗塁を記録、オールスターにも選出(なお82年からは7年連続、通算10回出場)される。
私が熱心に大リーグをフォローしていた時期だが、当時の盗塁レジェンドはルー・ブロック。1979年に引退し、通算盗塁数938。阪急ブレーブスでプレーした福本豊がこの記録を超えたとして話題になった。
そのブロックと入れ替わるように登場したのが、リッキー・ヘンダーソンで、すごい選手が出てきたと、日本のMLBファンも注目した。
その期待に違わず、1982年にはシーズン最多盗塁の130をマーク。2024年シーズン、あれだけ走った大谷翔平が59、盗塁王のデ・ラ・クルーズですら67だから、いかに凄かったか実感できると思う。ちなみにヘンダーソンは珍しい左投右打である。
1980ー86年の7年連続、1988−81年の4年連続を含む、12回の盗塁王。1989年アスレチックス、1993年ブルージェイズでワールドシリーズ制覇。1990年には打率.325、OPS.1.016、本塁打28、盗塁65でMVPを獲得。この年はカムバック賞にも選出された。
キャリア後半は、様々なチームを渡り歩き、2000年にはシアトル・マリナーズで佐々木主浩とプレーした。もう1年在籍すれば、既にレジェンドのヘンダーソンと、未来のレジェンド イチローとの共演が実現していたところなので残念である。
結局、MLBで25シーズンにわたりプレー(歴代5位タイ、1位はノーラン・ライアンの27)、通算盗塁数は1406、2位のブロックが938、あの福本豊でさえ1065。まず破られることはないだろう。通算得点数が2295、2位の“球聖“タイ・カッブが2246、現役でトップはフレディ・フリーマンで1298である。先頭打者HRの通算記録81本も現在トップ。2位は現役のスプリンガーで57本。
さらにヘンダーソンの凄いのは、これだけの輝かしい成績を残しながら、MLBでポジションが無くなった後も、独立リーグでプレーしたこと。よほど野球が好きなのだろうと思うのである。
最後に、今回の訃報で驚いたのは1958年生まれ享年65歳。私と3つしか違わない。雲の上の存在と思っていた人が、実は自分と同世代。
早すぎる死を悼むとともに、己を振り返る
*ブロックの通算盗塁記録を破ったシーン