誕生まで⑦|正式診断
大学病院に到着し、前回と異なる診察室へ案内された。
そして改めて、「産科・新生児科・循環器科」の三名の医師がエコーをしながら協議を開始。
専門用語が飛び交い、細かな確認をしていたが、時折私たちとも会話をしながら進めていた。
「逆子ちゃんだね~」
「しかし、すんごい動く子だね…(笑)」
まだこの時は、ようやく胎動を感じ始めたくらいだったが、エコーで見てもだいぶ激しめに動いているのがよくわかった。
初期の頃から「めちゃくちゃ元気!」と毎度言われてきたが、その度に我が子の生命力の強さを感じる。
そして今回も言われ、私の頬が緩む。
逆子に関しては、レディースクリニックの健診の頃から言われてはいたが、今回も時期的にはまだ気にする段階ではないということだった。
そして、本題の「心臓」へ。
「あー、これは…間違いないね」
「でも、ここの欠損はなさそうだなぁ」
「○○は全く問題ないね」
専門用語に関してはそこまで覚えていないが、30分近く時間をかけて入念に確認していただいた。(少し妻は疲弊していたが…)
そしてエコーが終わり、医師から改めて診断名を告げられた。
「完全大血管転位症で、ⅰ型ですね」
(しかし後に「ⅱ型」と判明するのだがそれはまた後述)
事前に調べて覚悟を決めていた分、比較的すんなり受け入れられた。
また、幸いにも心臓以外は現時点では特に異常がないことも分かり、そこはホッとした。
基本的には、“前々回の投稿” で書いてある内容と相違なく、
ということだけ、ひとまず簡単に説明いただいた。
そして、改めて手術を担当する医療チームと、今後の流れも含めた面談を二週間後に行うことになった。
お腹の中の子の「完全大血管転位症」に意識が向いてしまうが、そもそも妻がハイリスク妊婦の「全前置胎盤」である。
全前置胎盤の症状である「子宮の収縮」や「出血」、その他あらゆる変化がないか、頻度を上げてチェックしていくことが必須とのことで、今後の妊婦健診に関しても、通常は二週に一回のところを、週一回のペースに増やすことになった。
しかし、妻は「絶対安静」の身でもある。
・週一回で、片道30~40分とはいえ通院が増えること
・大学病院特有の待ち時間の長さ
これが妻の身体にとっては負担になるのではないか?
と、夫として疑問に思い医師に伺った。
それを差し引いても健診の回数は増やした方が良いとのことだった。
ただ、待ち時間が長いことに関しては、大学病院側も申し訳ないと思っているようで、当日長くなるようであればベッドに横になれるよう、準備はしていただけることとなった。
そもそも大学病院は、私たちのように “何かしらイレギュラーが起こって転院してくる人がほとんど” のため、診察時間も予定より超過する傾向にある。(実際、私たちも初診は『心臓の確認』でかなり時間を要し、予約枠を一時間近く超過している…)
母体の負担軽減に関しては、もちろん病院だけでなく、私たち(特に夫である私)も出来ることは全てやるとお約束し、その日は終了した。
そして翌週の妊婦健診では特に問題もなく、更に翌週の医療チームとの面談の日を迎えた。