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令和6年8月10日 長崎の旅 ②
「平和公園」で下車。
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こんなに美しい空の下には、
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この言葉が刻まれています。
これを見て、怒りとか、悲しみとか、やるせなさとか、そんなありきたりの言葉では表現出来ない気持ちでいっぱいになりました。
今ではこうして水や緑で溢れ、かつてここで何が起きたかを知らない小さな子どもたちの笑顔も見られる場所ですが、
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ここに立つと、大勢の尊い命が一瞬で奪われて、渇き、痛みに苛まれ、その後も続く火傷や被曝症状、そして差別に苦しんだことが伝わってきます。
一体、人間は人間に対してどこまで残酷になれるのでしょうか?
老若男女問わず焼き尽くす。
それが誰の遺体だったのかさえ分からないくらいに。
氏名が分かっても、親族も皆亡くなってしまって、遺体の引き取り手が見つからない。
そんな風にしてしまうのが、戦争を止めるために仕方のなかったことだとは全く思えません。
虐殺に他ならないと思います。
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戦争が終わってから何十年も経つというのに、今も無縁遺骨となっている方々に、手を合わせました。
手を合わせることしか出来ないけれど。
もしも魂というものが本当にあるなら、せめて皆さんの魂が、帰りたいところへいき、逢いたいひとのそばへいけていますようにと祈りながら。
…それでも、今もなお、世界のあちこちで色んな人間同士が争っているのですよね…。
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こんなに世界は美しいのに。
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手と手を繋げたら良いのに。
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核爆弾を作る計画を立てるのも、作るのも、使うのも人間。
なのに、その被害に遭うのも、命を救おうと懸命に手当をするのも、こうして死を悼むのも人間。
なんだか不思議ですね。
人間って何なんだろう…。
ただ確かなことは、
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戦争は誰にとっても他人事ではないということ。
昨日までどころか、今日ついさっきまで一緒に笑い合っていた人が、
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息絶え、
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瀕死の状態で救いを求めてくるのに、どうしてあげることも出来ず、自分も力尽きてしまう。
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自分や大切な人が今日そうならない保証は、どこにもありません。
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もしも、憎み、奪い、ねたみ、殺し合うのが人間という生き物の本性なのだとすれば、戦争をすることよりも、
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平和な世界を作ろうと努力することの方が、本当に大変なことですよね…。
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一人ひとりに出来ることは限られているけれど、
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こうして心を痛め、祈り、こうして平和について考えて、誰かに発信していくこと、
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それは決して無駄ではないと思います。
わたしたち一人ひとりは微かな力しか持たないけれど、お互いにほんのわずかであっても影響し合うことが出来るから。
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「ダメ」と言われたらやりたくなるし、武器を作ったら持ちたいし使いたくなるのが人間のサガですが、
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失われた命は決して戻ってきません。
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もう誰も悲惨な死を遂げないように。
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たとえば今日世界のどこかに生まれたばかりの子どもが、すくすくと育ち、いつか「この世界に生まれて良かった」と思えるように。
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…そんなことを考えながら原爆資料館を出ると、さっきまでとは街並みが変わったかのように見えました。
変わったのはわたしの心の中かもしれないけれど。
みんな、車に乗ってどこへ行くんでしょうね?
仕事へ行くのかな?
それとも家に帰るのかな?
どこへ行くにしても、どうかいつもと変わらない平穏な日々がいつまでも続いていきますように…。
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また、原爆資料館でブックマーカーを購入しました。
今後、戦争や平和に関する本を読む時はこのブックマーカーを使い、その読書感想文をnoteで発信していきたいです。
※③に続きます
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