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立正安国論⑥【お祖師さまのおしえ】vol.15
【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。
今回は「立正安国論⑥」です。(①~⑤はこちら)
参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。
さて、前回は、「七鬼神」の名前を書いたお札を門に貼ることによって疫病退散を願ったり、「五大力菩薩」の絵を家のなかに飾ったりして、苦しみから救われようとする姿が語られました。
今回は、人々が苦しみから救われるために、どのような方法をとる様子が語られるでしょうか。
さっそく読んでみましょう。
若くは天神地祇を拝して四角四堺の祭祀を企て、
若くは万民百姓を哀れみて国主国宰の徳政を行う。
若くは天神地祇を拝して四角四堺の祭祀を企て、
「天神地祇」というのは、「天の神と地の神」という意味で、総じて「あらゆる神々」というような意味になります。
「四角四堺」というのは、陰陽道の儀式で、家の四隅(四界)と国の四方(東西南北、四堺)で行う儀式のようです。これによって、疫病による災難をはらうとされています。
陰陽道の儀式によって、疫病の蔓延による苦しみから救われようとしていたということですね。
若くは万民百姓を哀れみて国主国宰の徳政を行う。
「百姓」というと、「農民」というイメージがありますが、これはあとから生まれた意味のようで、もともとは「一般庶民」を指した言葉のようです。ですので、「万民百姓」というのは、「すべての人民」というような意味でしょう。
「国主」はその国の君主で、「国宰」はその国の宰相、つまり国主の補佐をする人のことですね。
「徳政」というのは、「徳のある政治」という意味で、災害などがあった際に人民を救うため、政府が色々な救済措置をとることを言うようです。
つまり、国政を行う人々も、人民を哀れんでさまざまな措置をとっているものの、災害や飢饉、疫病の蔓延がひどく、世の中が良くならない、ということでしょう。
◇◇◇
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
それでは、また。