ほんや徒歩5分

ポケットのなか、1台の本棚の、小さな古本屋さん。 今は手元にあるものを少しずつ。 4/…

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ポケットのなか、1台の本棚の、小さな古本屋さん。 今は手元にあるものを少しずつ。 4/30開店しました。 https://5hundakearukou.wixsite.com/toho5hun

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最近の記事

覚書:言葉の外へ

”…「言葉がなければ伝えることができない」とか「言葉がなければ残すことができない」というのは、だいいち本当か。私は子どものときから今にいたるまでずうっとそうなのだが、一生懸命しゃべると、 「もっとわかるようにしゃべってくれ。」 と言われる。それはおかしい。こっちは全力をこめて、全身を使って、伝えたいことを言葉と声と動作で発したのだ。なぜそれに対して相手は「わかる/わからない」という、ふんぞり返って目の前の人間を判定するようなことを言うのか。 「もっとわかるように見せてくれ。」

    • 覚書:「うしろめたさの人類学」

      皆さんは日常において「うしろめたさ」を感じることはあるだろうか。 私はある。例えば、混んできたカフェでおかわり自由のコーヒーをおかわりしながら本を読んでいるとき。誰かが席を探しに来ていることに気がついても、その席を私は動かない。そんなときだ。 本書では、この世の中がもっとよい社会になるにはどんなことが必要なのかを、贈与や交換といった行為、国家や市場といった立場など大きな概念から日々の暮らしを見つめ直す形で紐解いている。そして、よりよい社会になるための1つの意見として「うしろ

      • 覚書:「デザインの輪郭」

        ”「ふつうに思ったことを淡々とやっていればいいんだ」とわかったから強くなったのではないかと思います。 僕も、かつてはふつうじゃないものをつくろうとしていたわけですね。 デザイナーというのはそういうものだと思っていたから。 特殊なものをつくろうとしたときに、 「やっぱりふつうのものがいいな」と思って、開き直った。 いろいろな製品なり、デザインを自分なりに評価してみて、 こぼれ落ちていく砂の中で最後に残るものってわずかでしょ。 それが、最もふつうで、いいものというか…。 単純

        • 覚書:「女のいない男たち」

          ”…全ての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている、というのが渡海の個人的見解だった。どんな嘘をどこでどのようにつくのか、それは人によって少しずつ違う。しかし全ての女性はどこかの時点で必ず嘘をつくし、それも大事なところで嘘をつく。大事でないことでももちろん嘘はつくけれど、それはそれとして、一番大事なところで嘘をつくことをためらわない。そしてそのときほとんどの女性は顔色ひとつ、声音ひとつ変えない。なぜならそれは彼女ではなく、彼女に具わった独立器

        覚書:言葉の外へ

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        • おぼえがき
          6本
        • 徒歩5分にっき
          3本

        記事

          覚書:「あなたの人生の物語」

          ”…そもそものはじめからわたしは自分の運命を知っていたし、当然のものとしてそのルートを選びもした。けれど、わたしがめざしているのは歓喜の極致なのか、それとも苦痛の極致なのか?わたしは最小と最大のどちらを成就するのだろうか?…” 映画を観てこの作品を知った僕は、やはり「あなたの人生の物語」に惹きつけられた。 人と言語の関わり。ドラスティックに環境を変えることで、そのあり方を描いている。 大学でドイツ語の講義で、ネイティブの教授が 「ドイツ語には日本語の『懐かしい』に該当する

          覚書:「あなたの人生の物語」

          覚書:「読んでいない本について堂々と語る方法」

          ”本との出会いというものは、どんなに取るに足らないものであれ、またたとえ本を開くにいたらないにせよ、本を真の意味で我がものとする第一歩となりうるのである。極論すれば、一度でも出会ったあとに未知でありつづけるような本はひとつもないといっていい。” タイトルはあまり好きじゃなかった。 こういうHowtoが書かれていそうな本はnot for meだと距離を置いてしまう。 ただ、よく聴いているポッドキャストで紹介されていて手に取ってみた。 読んでみると、とても当たり前のことが書いて

          覚書:「読んでいない本について堂々と語る方法」

          11/2(土)出店!一箱古本市

          来る11/2(土)に 東京は虎ノ門ヒルズにて一箱古本市に参加いたします! 今回は小説をはじめ様々なジャンルの本と一緒に参加する予定です。 新しい出会いや気づきあふれる本ばかりですので、ぜひお越しください^^ 店主と二人、会場にてお待ちしております! https://all639.wixsite.com/bookparadise 詳細は上記よりチェック!

          11/2(土)出店!一箱古本市

          わからないのです。

          こんにちは。 暑いですね。 本棚を整理しています。 前回からだいぶ時間が経ってしまいました。 不精なのです。 ちょっとお休みのつもりでnoteに来ました。 というのも、お伝えしたいことがあるのです。 (本当にどうでもいいんですが、いま「ちょっとお休み」と書いたとき、 脳内に『ちょっとストップ、ミニストップ』がしばらく流れました。アイス食べたい。) もうすでに本棚を、正確に言うと個別の本のページを 読んでくれた方は違いに気づいたかもしれませんが、 今まで個別の本のページ

          わからないのです。

          海の見える一箱古本市を終えて

          時、のことを考えている。 深夜にテレビをつけると、NHKで東京の鉄道を特集した番組が流れていた。 東京、という場所にそれほど馴染みがあるわけではないけれど、 その人の多さ、それを運ぶ鉄道という交通手段が、ひとつひとつの仕事によって辛うじて成り立っていることを伝える番組は興味深かった。 もしかしたら製作者は、暗に、こんなに頑張っているんだから、みんなあんまり怒らないでね、ということを伝えたかったのかもしれない。 この番組から、単純に、みんな何をそんなに急いで、どうしてそんなに

          海の見える一箱古本市を終えて

          "ニワカ"なこと

          こんにちは。店員です。ついに関東は梅雨入りしたそうで、じめじめした毎日が始まりそうです。 さて、Facebookの更新をどうしよう、どうしようと悩んでいたのですが、まずはいろいろ試行錯誤してみたら良いんじゃないかと思い、このコラムをしたためています。 今回はニワカなことについてちょっと考えを巡らせてみたいと思います。 私は「趣味はなんですか?」という質問が少し苦手です。本を読むこと、音楽を聞くこと、アニメを見ること、好きなことはあげればきりがない、だけど、どれもちょっとニワ

          "ニワカ"なこと