【孤独のグルメ】第Ⅱ話 名古屋市 赤い天津飯とハーフサイズの中華そば
ぼくは先日、こんな記事を書いた。
言わずと知れた大人気実写ドラマ『孤独のグルメ』の井之頭五郎になり切ってひとりごはんを食レポするという謎記事である。
自分でも書いていて楽しかったのだが、それはあくまでぼくの感想。
ぼくのnoteのコンセプトは「役に立ちそうで役に立たない少し役に立つ(かもしれない)ことを投稿」することである。誰かをクスリとでも笑わせることができなければこのシリーズは第1回で終
継続します。
町中華。
もう響きだけで心が躍る。町中華が嫌いな男って、存在するんだろうか。いや、いない。
カタコトの日本語を話す店員、跳ねた油で滑る床、年季の入ったボロボロのメニュー。全てが愛おしい。
小奇麗な店は求めちゃいない。男のひとりメシなんて、デートじゃ使えないくらいの店がちょうどいいんだ。
そんな店が、ここにある。
赤い天津飯。
おいおい。そんなの字面だけで気になってしまうじゃないか。
「赤い」ということは、ケチャップベースの甘酢あんか。それとも辛みを表す赤なのか。
・・・ダメだ、頭から赤い天津飯のことが離れない。よし、行こう。
扉を押して、店内に入る。
「お好きなお席にどうぞ~」、出入口に一番近いソファ席に座る。ニ人がけであろうソファ席にひとり。なんか贅沢。
ふっ。可愛いじゃないか。
こういう店員さんの遊び心が溢れる店はいい店だと昔から決まっている。郷に入っては郷に従え、だ。手を差し出して、シュッ。
さーて、なにを食べよう。
赤い天津飯はマストとして、サイドはなにで組み立てるべきか・・・
おいおい。
これ以上俺の胸を打つのは勘弁してくれ。
こんな手書きのメニュー、ワクワクするに決まってるじゃないか。提供時間の目安まで書いてくれている。ホスピタリティが溢れすぎているんじゃないか?
ふー。
これでメニューは決まった。あとは待つだけだ。
店内を見渡すと、スーツ姿のサラリーマンや作業着の男たちが、会話もそこそこに中華メシをかきこんでいる。
午後も頑張ろう、日本の戦士たちよ。
注文した品を待つ時間。やることなくて、ついついメニュー見ちゃうんだよな。もう頼んだのに。
「だいたいいつも」。
いいワードセンスしてるなぁ~。酒飲みがこれ見たらつい頼んじゃうぞ。
こんな注意書きまで。
需要がなければ下げる。しっかりとした店舗運営だ。まじめだけど、童心忘れず。俺も、こんな風に働かないと。
ほぉ。
ここの餃子はパリパリじゃなくてモチモチタイプか。
まずはひとつ。なにもつけずに、いただきます。
・・・う~ん、美味い。
餡にちゃんと味が付いているタイプ。皮も柔らかくて、口の中で餡と一体化している。
パリパリ餃子の、餡と皮の食感の対比もいいが、喧嘩しないモチモチ餃子もいい。
タレの酸味とラー油の辛み。どちらも餃子には欠かせない、名パートナーたちだ。
酢豚で使われるような甘酢あんではなく、辛みの方の赤だったか。
辛い天津飯。味の想像がつかないな。甘いのか塩辛いのか。酸っぱいのか、苦いのか。
まったく。この店は俺をどれだけ楽しませてくれるんだ。いざ、尋常に。
・・・・・・ほぉ~~~。美味い!
通常の天津飯より甘みがなく、その分しょっぱさと辛みが際立っている。喉を通る時に唐辛子の刺激。これまで食べたこと無い天津飯だなぁ。
今から天津飯を漫喫するところだったのに、中華そばまで来ちゃったぞ。中華そばは時間を置くと麺が伸びちまう。
陸の天津飯に、海の中華そば。
ここは中華のトライアスロンか?
伸びてしまう前に麺を一口。
・・・・・・美味い!
学生の時は豚骨やら濃厚味噌やらが好きだったが、この年になって中華そばの美味さが分かってきた。鶏ガラベースのスープにつるしこの麺が絡んで、シンプルだけど、シンプルだから、いいんだよ。
ここから先はスピード勝負。
天津飯が冷めるが先か、中華そばが伸びるが先か。俺が食い切るが先か。
日本と中国の代理戦争、勃発。なんつって。
結局俺も、周りの屈強な男どもと同じく、中華メシをかき込むことになっちまった。まったく、ひとりメシは忙しい。
米の一粒、スープの一滴も残さず。
御馳走さまでした。
ほにゃ活。は
『孤独のグルメ』を応援しています。
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