マズローの欲求5段階説とデンジ君
大人気漫画『チェンソーマン』をご存じでしょうか?
この作品の主人公デンジくんは毎日ギリギリの生活を送っています。
彼がチェンソーマンとなり悪魔と戦いながら、普通の暮らしを夢見て生きてゆく。
そんな物語なのですが、このマンガのストーリー展開はマズローの欲求5段階説と同じように進行しているのではないかと、勝手に思っています。
そこで今日はデンジ君の行動とマズローの欲求5段階説について書いていきたいと思います。
※マンガ『チェンソーマン』を読んでいる前提で書いています。ネタバレ等への配慮はしていません。
マズローの欲求5段階説とは?
マズローの欲求5段階説は人間の欲望を5つの段階に分けたものです。
米国の心理学者 アブラハム・マズローによって提唱されました。
マズローはこれをピラミッド型の図にしました。
人間はこのピラミッドの最下層から欲求を満たしていくものだ。というのがこの説です。
作中のデンジくんの行動と合わせて
では早速、デンジ君の行動と5段階説を合わせて見ていきましょう。
生理的欲求
まず最下層の生理的欲求。これは生命維持のための欲求です。
人間の3大欲求もここに含まれます。(食欲・睡眠欲・性欲)
さてデンジ君は一度死んだ後、ポチタと合体してチェンソーマンとして復活。敵を倒し、マキマさんに拾われると言うのが序盤の流れ。
正確な読み取り方ではないかもしれませんが、ゾンビの悪魔を倒した後、眠る様にマキマさんに向かって倒れ込んでいます。(睡眠)
そして拾われたデンジ君は早速、パーキングエリアで食事をとります。(食欲)
またデンジ君がマキマさんに惹かれていくのも性的欲求の描写と捉えることができるかもしれません。(性欲)
安全欲求
4階層目は安全欲求。
デビルハンターとして生きることになったデンジ君は、安全とは無縁じゃないか。と思うかもしれませんが、冒頭の借金まみれの生活からは改善が見られます。
特にアキくんとの同居。
家があり、人間の天敵である孤独でもない。物理的安心材料と精神的な安全材料がそろっているように見えます。
また彼を追っていたヤクザとの付き合いも(一時的な事ですが)終わっています。
なによりこの辺りになると5段階目の欲求が安定して満たされています。
リビングで朝食を食べて、トイレで眠る描写があり、仕事場でエッチな雑誌を見つけています。
社会的欲求
3段階目は社会の一員でありたい、必要とされたいと言う欲求です。
デンジ君は公安に所属することになります。
またマキマさんから銃の悪魔を倒して欲しいと言われ、必要とされます。
この段階では愛が欲求に関わってくるそうです。
与えられる愛についてはマキマさんからのモノ。与える愛は兄と妹のような関係になったパワーちゃんに対するモノかもしれません。
承認欲求
これは他者から認められたいと言うシンプルな欲求。
レゼ編の後、チェンソーマンは報道されて社会に認知されています。
「テレビに映るのは気持ちがいい」とデンジ君も言っています。
また15巻では「チェンソーマンになってみんなからチヤホヤされたい!」と承認欲求について語っています。
順調に欲求段階を上って行っているように思えます。
この頃になると、食うに困ったりはしていませんし、家でナユタちゃんと暮らしています。今までの欲求段階はすでに達成されていますね。
自己実現の欲求
ピラミッドの頂点は自己実現。
デンジ君は1巻でポチタに「普通の暮らしをして普通の死に方をして欲しい」と自信の夢を託そうとします。
これがデンジ君とポチタの目標、目的なのでしょう。
12巻時点でデンジ君は学校に通って、ナユタちゃんと暮らしています。
少しずつ普通の生活に近づいているのかもしれません。
今後、彼がどう生きるのか、どう死ぬのか。
自己実現欲求は叶うのか、楽しみです。
まとめ
以上、勝手な”こじつけ”でした。
もし本当にマズローの欲求5段階説に基いて展開しているのなら、作者さんは勉強家ですし、偶々なら、人間に対する考察が見事だと言えると思います。
いずれにしろ今後の展開が一読者として楽しみです。
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