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江戸のコーデリア・グレイ「よろず屋お市 深川事件帖」(ハヤカワ時代ミステリ文庫)
前回も書きましたが、9/10にハヤカワ時代ミステリ文庫創刊第一弾として発売される「よろず屋お市 深川事件帖」は、P.D.ジェイムズの名作「女には向かない職業」へのオマージュの側面を持っています。
私立探偵の跡を継いだ、まだ若い娘が、依頼を受けて動くという始まりは、まさにそうです。もちろん国、時代、そして長編か連作短編かなど、設定は大きく異なりますし、内容も違います。
ただ、それでも主人公お市は、コーデリア・グレイを想定して書きました。
というのも、10代の頃から、ハヤカワポケットミステリ、通称ポケミスは、本当にずっと読んできました。自分の中の読書成分のかなりの部分を占めており、今も、読み続けています。(最近のお気に入りは、前にも書きましたが「パリ警視庁迷宮捜査班」。)
そして当然、この「女には向かない職業」もポケミスとして発刊されると直ちに買い求めて読んだのを今も鮮明に覚えています。昭和50年らしく、もう44年にもなりますが。
一読するや、コーデリア・グレイというキャラクターに魅入られ、以来偏愛の一冊となり、何度読み返したか分かりませんし、同じく第二弾として出た「皮膚の下の頭蓋骨」も読みふけりました。
そんなコーデリア・グレイから、着想を得たお市の活躍を是非、お読みいただければ幸いです。
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