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#19 プロインタビュアー・早川洋平「会う力・聞く力」(2020.5.29&6.5)

今回の会議相手はプロインタビュアーの早川洋平さん。あ、ここからブンクリもリモート会議時代に突入です!

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そもそも「プロインタビュアー」って何なんでしょう?

名乗りはじめて6~7年経ってるんですけど、厳密に言うと自分でもプロインタビュアーかどうかわからないんです。ただ、実際インタビューの仕事はしてるわけで、「プロ」って言うまでもないような気もするし……最近はまた悩みはじめてるところですね

そもそも早川さんは新聞記者等を経て、キクタス株式会社設立。「キクタス=聴く+足す」なイメージ通り、主にポッドキャストを主戦場とした音声メディア番組の企画・制作・配信に携わってきました。そのソフトの中心がインタビュー。これまで羽生弓弦、コシノジュンコ、堀江貴文、加藤登紀子、石田衣良など数多くの著名人にインタビューしてきました。すげー豪華!

まずは、どうしてこういう仕事に踏み出したのですか?

あるとき、もし今日が人生最後の日だとしたら何をやりたいか自問したんです。そのとき思ったのが「自分は本を読むのが好き」「インタビューするのが好き」「ラジオ聞くのが好き」、その3つで。だったら「本の著者にインタビューするラジオ番組をやったらいいのでは?」って思ったのが最初です。「最近ポッドキャストっていうのがあるらしいな。それやればいいのでは?」って思って、それでプライベートではじめたのが『人生を変える一冊』というポッドキャスト番組だったんです

会社員として煮詰まっている中、開き直って自分の「好き」を突き詰める形でスタートしたポッドキャスト。しかし簡単には進まなかったようで。

当時ポッドキャストなんて誰も知らなかったし、僕も配信の仕方すら知らなくて(笑)。そのときビジネスの異業種交流会に行ったら、主催者の方に「ちょうど本の著者でポッドキャストやってる人がいますよ」って言われて。その方がポッドキャストのノウハウを教えてくれて、さらに自分の本が出るから宣伝のため出演するって言ってくれたんです。それを自分のメディアで紹介してくれて、知り合いも紹介してくれて……気が付けばそういう感じで何万人もの人がダウンロードしてくれる番組に育っていったんです

話を聞いてると、最初は「ITベンチャーの切れ者」的イメージだった早川さんですが、結構出たとこ勝負というか体当たり主義のような……。

最初は会社員しながらポッドキャストやってて、面白かったんで夜も寝ずに作ってたんです。会いたい人にどんどん会えるから楽しくてしょうがなくて。ただ、ポッドキャストを作って配信するだけだと1円にもならないんです。そんなとき、ある金融系会社がスポンサーに付いてくれることになって、それで会社を辞めたんですけど、そしたら辞めた直後にスポンサーに降りられて収入ゼロ……

ああ、やっぱり……と、書き起こしてて、こっちが心配になるこの展開。

ただ、稼げてはないけど、会える人だけはどんどん増えていって。で、番組を作る中でお会いしたある作家の方や著名な経営者の方が「早川くん、お金出すから僕の番組作ってくれない?」って言ってくださって。それで自分の番組とは別に、ポッドキャストの番組を企画・制作・配信する今の「キクタス」を立ち上げたんです

ああ、よかった……と、こっちまで安心させてしまう早川さんのこれまでのキャリア。つまりとっても人間臭い人なんですよ!

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そんな早川さん最大の武器は、なんといっても「会う力」。早川さんは前述したように数々の著名人のインタビューに成功しますが、コネもツテもない早川さんがどうして彼らと対面できたのでしょう?

パッションが必要なのは当然ですけど、その前に「自分なんか無名だから会えるはずがない……」というマインドは捨てた方がいいです。みんな可能性0%と思ってるけど、まずそこを疑った方がいい。さらに、今はネット環境やSNSが発達してるので、より会えるチャンスは拡がってます
アポをとる形は2つしかないんです。1つは直接型。もう1つは紹介型。リサーチするとどんなに情報が少ない人でも連絡先は見つかるんです。その後に「直接で行くか? 紹介で行くか?」と考えますけど、意外と正攻法で行けるものなんです。会社の広報に連絡したり、その人がトークイベントすると聞けば出向いて直接お願いしたり。僕は今でも基本的に直接ぶつかることが多いですね

リサーチした上で正面から突撃する、と。会えると決まった後はインタビュー。「会う力」の次は「聞く力」の出番です。

まずどれだけリサーチしてるかが当日のインタビューに大きく関わってきますけど、僕はその上で気を付けてることが2つあって。まず、現場ではリサーチしてきた内容を全部白紙にします。やっぱり僕は「3方良し」の場を作ることが大事だと思ってて。僕はその人に会えてハッピー、リスナーの人も面白い話が聞けてハッピーだけど、目の前にいるインタビュー相手はハッピーなのか? 謝礼やPRというメリットがあればいいけど、トップランナーほどそういうものは求めてなくて、じゃあその人に何を与えられるかというと、とにかく話すことで相手に気持ちよくなってもらうしかないんです。でもそれを徹底すると、自分が聞きたかった質問を1つもしなくても、結局そういう話が聞けてたりする。だからまずは心を白紙にして、相手に心を開いてもらうことが大事ですね
もう1つは、その場で相手に気付きや発見を感じてもらうこと。「そんなこと聞かれたことなかったから考えさせられたよ」みたいなものをインタビューで感じてもらえたら嬉しいですね

なるほど、「いかに相手から引き出すか」ではなく「いかに相手に与えられるか」。自分本位からの転換が「聞く力」の真髄かもしれませんね。

インタビューするっていうと「私、関係ない」と思う人もいるかもしれないけど、これからますます1億総メディア時代は進むと思うんです。となるとインタビューという意識がなくても近いことは必要されるはず。どうやって会いたい人に会うか、会ったときにどんな会話で聞きたいことを聞くか、その方法は伝えていきたいです

昨今は音声メディアの制作だけでなく、「会う力」や「聞く力」を伝える講座にも力を入れている早川さん。

さらに音声メディアにおいて戦争の記憶を残す活動をはじめたり、

音声メディアを飛び出して動画での生配信もはじめたり、

まだまだ猪突猛進ぎみ。早川さんの夢は膨らみ続けてるようで。

iTunes StoreでもSpotifyでも何でもいいですけど、インタビューに特化した世界的プラットフォームを作りたくて。僕は古今東西、老若男女、どんな人の話にもそれを聞いた人の人生を変えうる力があると思ってるんです。そこにアクセスすると自分の気分に合った国内外のインタビューがズラッと出てくるようなプラットフォームを作りたいんです

ちなみに今回の出会いをキッカケに、私・清水も早川さんにインタビューしていただくことになりました(2020.9.2 YouTubeで行われる生インタビュー番組「LIFE LIVE」)。プロインタビュアーにインタビューされるのってどんな気分なんだろ? 上がったら、またここに貼っときますね!

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2020.5.19 on-line

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