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【選んで無職日記132】題名をつけ忘れたまま投稿した

2024/12/10

 朝起きて鏡を見ると、眉毛ラインで切りそろえられた前髪が全てまっすぐ垂直に上がっていて完全にトゥイ―ティーだった。直さないとと思って前髪に水をつけドライヤーをしても癖が強く、なかなか直らない。携帯電話を見ると母からの「もうすぐ着く」のLINEが入っており、ぼさぼさヘアとノーメイクで出ないと時間が無いなと思う。
 今日も両親とクロエが車で家に来るので、下にいぬを迎えに行くと父が彼女を抱きかかえて待っていた。両親はこのまま少し買い物に出かけるというので、そのままリードをつけてマンションを一周すると、しーしーもうんうんもしてくれた。
 部屋に戻って化粧をし、時間があるのでクロエのブラッシングをするとすう、すうという音が聞こえたので寝ているのだなとわかる。彼女は巻き毛で絡まり毛なので、ブラッシングされている側も痛いこともあるだろうが、寝てくれて良かったなと思う。

 昼は皆でモスバーガーを食べる予定だったので、十二時ごろに夫といぬと家を出た。お昼時でランチをとりに出る会社員が沢山いて、クロエはすれ違う人の顔を全て見てキョロ充し、モスバーガーに一人入る私に延々と吠えていた。
 皆で買ってきたハンバーガーを食べ、買ってきてくれたケーキを食べ、私は時間になったので歯医者に行った。玄関にはさっきしたクロエのうんち袋が置いてあってちょっとくちゃくて、家を出ようとすると「いくな、いくな」と言ってすがりついてくる。

 歯医者は大学付属の病院に通っているのだが、予約時間に行くと先生が「学生が見学してもよいですか?」と聞いてくる。
 いいですよ、と言いながら内心、学生かあ~と思う。
 同意書にサインをしながら、やっぱ嫌だなあと思いつつ、文面上部にある『未来の医療従事者を育てる』みたいな文言を読んで、そうですよねえ、と思う。
 今の子たちだから、2000年近くに生まれた人たちがもう実地研修に入って、こうして色んな症例に触れて、育っていくのだ。私の口腔内も彼らの知識と経験の糧となり、学びの一環となっていく。
 わかる。わかるのだがやっぱり本当は嫌だ。歯が全てきっちりあって、虫歯の痕も無く、真っ白で綺麗で文句ないなら堂々と口も開けるし中も見せるけれど、私は歯にはコンプレックスがあるので他の人よりもさらに見せたくない方だと思う。
 彼らは私の歯を見て汚いとか綺麗とかそういう観点で物事を見ないだろうというのもわかりつつ、器具が入れば涎がついてびよっと伸びるし、人前でうがいをしなければならないし、若い子にそれを見られるというのはなかなかに辛い。
 ああ今日鼻毛処理するの怠ったな、と思いながら倒れる椅子に座る。

 夜は近所の旨い博多ラーメンを食べに行った。最近バリ硬に慣れてきているので、次回ははりがねにしようと思うのだけれど、なんだかいつもひよってバリ硬と言ってしまう。そんな時に後ろから男性が「替え玉粉落としで」と言うのが聞こえると、カッコいいなと思ってしまうのだ。

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ROARS /「選んで無職日記」更新中
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