自分を大切にする方法、って何ですか?|フリーペーパー「ちがう生き方」
フリーペーパー「ちがう生き方」で4/4(月)まで募集をしているエッセイテーマ「自分を大切にする方法」について、私の想いを書いてみようと思います。
エッセイ募集については↓の記事をご覧ください。
『自分が親友だったら』?え?
”自己肯定感”という言葉をよく目にするようになってから数年が経つと思いますが、未だによく目にします。
つまり、問題は解決していないってことだと思います。
私たちはどこまでいってもただの人間なので、魔法なんか使えません。
一瞬で自分を変えることはできません。
私自身もそうです。自分のことが大嫌いだったし、今でもそんな自分がときどき顔を出します。
『どうせ』『私なんか』『ダメ』『幸せになんかなれない』
子どもの頃にかかった呪いは、簡単には解けません。
自己肯定感に関する本やネット記事を読むと、必ずと言っていいほど『自分を大切にしよう』『自分に優しくしよう』と書かれています。
『自分が親友だったらどんな声掛けをするか想像してみましょう。その言葉を自分にもかけてあげましょう』は、自分を大切にするためのよくある方法です。
でも私には全然響かなかった。
だって自分のことが大嫌いだから。
親友に優しくするのは当たり前だけど、自分に優しい言葉をかけるだなんて、気持ち悪くて仕方がありませんでした。
試しに自分に優しい言葉をかけてみたところで、何ともしっくりこないのです。
私のことが大嫌いな私が優しい言葉を拒むのです。
「猫さんのことも大嫌いになる?」
私には『先生』と呼んでいる恩師がいます。
「自分のことが大嫌い」と言う私に、その人は言いました。
「じゃあ、猫さんが何か悪さしたら、猫さんのことも大嫌いになる?」
私は猫が大好きで、飼っている三毛猫は私にとって娘みたいなもの(まだ結婚すらしてないけど)。
猫が何をしたって、大嫌いになんかなるわけがありませんでした。
「三浦さんが猫さんに抱いているのと同じ愛情を、三浦さんのお母さんも三浦さんに抱いていると思うよ」
頭の中で、私が猫を「いい子、いい子」と撫でる映像と、母の手が私を「いい子、いい子」と撫でる映像とが重なって浮かびました。
厚い雲が晴れたように、急に視界が開けた気がしました。
それ以来、猫に優しい言葉をかけるたび、自分にも同じ言葉をかけてあげているような感覚になりました。
ときどき、「お留守番がんばったね~。私もお仕事がんばったよ~」なんてことも言えるようになりました。
《架空の親友じゃなくて、自分の大好きな存在に重ねて考えてみる》
これが私の、自分を大切にする方法の一つです。
私が私を大嫌いじゃなくなったきっかけは、これだけではないんだけど、それはまたの機会に。
『自分を大切にしなければならない』という呪い
自分を大切にする・自分に優しくするって、けっこう難しいです。
自分に厳しい人は、上手に自分を大切にできない自分のことも責めてしまうことでしょう。
でも、なんとかしなくちゃって思って本を読んだり、ネット記事を調べたりして、『自分を大切にしなければ』と色々試す→上手くいかない→自分を責める、の負のループにはまっちゃう。
そんな時は、あきらめるのもありかなって思います。
『あ、無理』『今は嫌いでもいいよ』『こういう時もある』
どうにかしようとしない。だってどうにもならないもん。
『自分のことが嫌い』という呪いでただでさえ苦しいのに、『自分を大切にしなければならない』という呪いを被せてかけることはないです。
二つ目の呪いをかける前に、あきらめちゃいましょう。
しんどいんだもん。今でも十分、がんばってるんだもん。
推薦図書
10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法
大人が読んでもとても助けになる一冊。だと思う(実は試し読みだけで読了はしていないけど、試し読みだけでもすごく好感触だったのでご紹介。)
具体的に『こんな時はこんなことをしてみよう』というワークが載っています。例えば「○○取って、とお願いしてみよう」とか、本当に簡単な一歩から踏み出させてくれるので、とっつきやすく挫けにくいかも。
97歳の悩み相談【17歳の特別教室】
「どうしたら自分を好きになれますか」「人に悪く思われないかいつも気にしてしまいます」などの悩みに瀬戸内寂聴さんが応えてくれている本。話し言葉で書かれているから40分くらいで読めちゃいます。
小難しいことが書いてある自己啓発本に疲れたら、この本を開いてみて。寂聴さんが「それはこう!」って、シンプルに的を射た回答で悩みを断ち切ってくれます。