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距離を繰り返して測る

『月まで三キロ』という著作がある伊与原新さんが直木賞を受賞されましたね。氏の著作は何冊か読んだことあります。

教材編集者という「教育界の端っこ」にいる身として、また個人的にもいろんな試験を受けてきた身として、受験生にメッセージを送りたいと思います。先日、「ITパスポート試験を受けます」という記事を書きました。

これ実のところ、最初は妻のタスクだったのです。会社員の方は年度当初に「目標設定面談」みたいなのが上司の方とあると思うんですが……。

上「今年度、何か形になる個人的目標みたいものはありますか」
妻「えー、ITパスポート試験を受けようかと……」
上「”受ける”のは申し込めばできますよね」
妻「そうですよね。はい、合格します」

とコントのような面談の話を聞き、どんな試験なのだろうと調べてみたのが昨年の4月頃。なるほど、単にITの知識・技能だけではなくて、プロジェクトマネジメント的な内容を含んでいるのですね。これは妻だけでなく会社員全般が身につけておいてよいジェネラルな内容だと思いました。

……が、まったく勉強を開始する気配もないのです、妻(忙しいし、体調不良もあったので仕方ないのですが)。さすがに年度内(~3月)までの受験→合格が厳しいんじゃないのかと思い、先日「昼飯、寿司でもどうや?」とニンジンをぶら下げて、そのついでに書店に行き参考書・問題集を購入。並走する人がいたほうがいいだろうと思い、私も受けてみることにしました(受験を決める背景にあるルサンチマン的心情はまた別途)。

高校受験や大学受験はある程度合格者数の枠が決まっているので、受験者の母体のなかで上位にいる必要がありますが、いわゆる資格試験の多くは「合格者最低点を満たせばよい」のです。満点を取る必要はありません。この手の試験対策としてまずやるべきことは、「現時点の自分の能力と、合格者最低点までの距離を知る」ことだと思います。ITパスポート試験の過去問、無勉強の、まっさらな、生まれたばかりの状態で(←全裸ではない)解いてみました。100問中60問正解で合格のところ、

ジャスト50問正解50問不正解


なるほど、自分の今の立ち位置がわかりましたし、苦手な分野が偏ってることもわかりました。この1週間、そこを集中的に勉強して、再度別の過去問に挑戦してみようと思います。こうやって少しずつ距離を詰めていけばまあ最低点には届くんじゃないかな……。

マイクロソフトのアプリの試験、DTP検定、世界遺産検定、漢字検定などなど、たいていの試験はこのやり方で撃破してきました。

一番の難敵だったのは「数学検定2級」。これ、高校2年生ぐらいまでの範囲なので、(指導要領の微細な変更はあるにせよ)当然一度は習っている範囲なのですが、上のように過去問を解いてみたところ、合格は「宇宙よりも遠い場所」にある気がしました(「よりもい」の公式サイト、工事中だ)。数学、苦手なんです。平方根が出てくるあたりから……。

数学の参考書と言えば「チャート式」それの一番簡単な「白」を買ってきて復習。まずは一個手前の「準2級」の勉強をしそれに合格。その流れで「2級」に合格。1年かけてのプロジェクトでした。

資格試験と高校・大学入試は目指すところは少しだけ違うと書きましたが、「過去問」の持つ意味は同じようなものです。(あえてこう書きましょう)相対する敵がどの程度の技を繰り出してくるのか、それに対し自分はどの程度対応できるのか、足りない部分を補うのか、強みを伸ばすのか、敵との距離を測り、その距離を詰め、撃破するための格好の情報なのです、過去問は。「同じ問題が出るわけじゃないしー」とか言ってる場合じゃないのです。

(今や多くの受験生が推薦というルートをとっていると思いますが、それでも)今週末は大学入学共通テスト、その後各大学の二次試験というルートを選択した人へメッセージ。


月のように遠かった目的地ももうあなたの目の前!
あと少し距離を詰めれば到達だ!
頑張れ! 応援してるぞ!

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