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【競馬の新常識】「凱旋門賞を巡る誤解」~ロンシャンの馬場は本当に重いのか~#4

割引あり

こんばんは。

今年もまたこの時期がやってきました。

世界最高峰の競馬のレース。

凱旋門賞

凱旋門賞には今まで、ディープインパクトオルフェーヴルエルコンドルパサーマカヒキジャスタウェイゴールドシップクロノジェネシスなどなどといった日本のトップホース達が挑んできました。
が、4度2着が精いっぱい
まだ一度も日本馬が勝ったことはありません

そして、毎回、凱旋門が終わると敗因をあーだこーだみんなでいい合う、というところまでがセット。
ここまで含めて凱旋門賞といった感じでしょう。

さて、その日本馬の敗因
このうち最もよく言われているのが

馬場

です。

「欧州の馬場は重いから日本馬には合わない」
「ロンシャンの芝は重すぎる」

と多くの人が口を揃えて語ります。

はて。
本当にそうでしょうか。

今回は、ロンシャンの芝は本当に重いのか、について考えていきましょう。

まずは、そもそもどうして「ロンシャンの芝は重い」と言われているのか、というところから。

これは主に走破タイムによるものでしょう。

というのも…
凱旋門賞は2400m。日本でいうとジャパンカップと同じ、いわゆる「チャンピオンディスタンス」です。

ジャパンカップのレコードはというと

2:20.6


まぁ、これはちょっと不滅の大記録すぎるので、直近5年の平均を見てみると

2分23秒82


となっています。

一方、凱旋門賞はというと…

2分34秒02

と、平均で10秒以上も差があります。

凱旋門史上最悪の馬場と言われたエルコンドルパサーが2着になった1999年は

2分38秒50


オルフェーヴル一回目の2012年は

2分37秒68


と言ったように、
日本でも有名な年でも日本と比べるとかなり時計が掛かっていることがわかると思います。

このようなことから、
「ロンシャンの馬場は重い」
と言われているでしょう。

うんうん、確かに。
馬場が重いと時計がかかりますからねぇ…

って…

ちょっと待ったー!


結論を先に述べますと、

凱旋門賞の走破時計が遅いからといって
ロンシャンの馬場が重い

と結論付けるのは完全に誤りです。

「走破タイムが遅いならば馬場が重い」
という言説は論理破綻していると言わざるを得ません。
「馬場が重いならば走破タイムは遅い」
というのはまぁ、正しいと言ってもいいかもしれませんが、その逆は破綻しております

なぜか。

それは、

走破タイムが遅くなる原因は馬場以外にもたくさんあるからです。

そもそも走破タイムはどういうことによって決定されるのか、と言うことですが、

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