Albergo Diffuso(アルベルゴディフーゾ)ってなんぞや
最初のノートで私が散々口にしたAlbergo Diffuso(以下AD)について、客観的な情報メインに、わかりやすく説明してみたいと思います。
Albergo=ホテル Diffuso=拡散した、散乱した
→「分散型ホテル」
イタリアで生まれたこの言葉は、日本では一般的に「分散型ホテル」と訳されています。文字通り、複数の建物に分散した構造をとる宿泊施設です。
いつどうやって生まれたのか?
この言葉自体は、1970年に起こったイタリア北東部の地震により被害を受けた村を再び活性化させる取り組みに由来します。それが、1980年代にイタリアの風土地形とホスピタリティを活かした観光マーケティングの一つのモデル(長い(笑))としてGiancarlo Dall'Ara氏によって提唱され、イタリアだけでなく世界中にも広がりを見せている観光ビジネスです。
で、結局何なの
ADの大きな特徴は、新たな建物を建てることなく、既存のものをそのまま宿泊サービスに利用できるようにオーガナイズ(編成)してあること、その集落に元からあったコミュニティーによって作り出される空間であることが挙げられます。あくまでも観光客のためのエリアじゃなくて、そこにある町に溶け込める空間であること。と解釈できるかなと思います。
"Just like home, Just like a hotel."
家のような「真正性」「周りの住民とのコミュニケーション」「多様な部屋」「カジュアルな関係性」と、ホテルのような「サービス」「快適さ」「予約の容易さ」「マネジメント」などを併せ持つところもADの重要な特徴の一つとも言えます。カジュアルさでいうとAirbnbに似ている部分もあるんですが、Airbnbはホスト-ゲストの関係になるのに対してADは町全体-ゲストの関係がより重視されていると考えられます。
また、ほとんどの場合、レストランが併設されていて(同じ建物内もしくは別の建物)、地元の食材を堪能することができます。同じくイタリア発祥のアグリツーリズムの要素も組み込まれていますね。(さすが美食の国イタリア!)
また、オリーブ収穫などのアクティビティに富んでいるところもあります。
どれくらい普及している?
イタリア国内では70件以上!日本にも正式認定されたホテルが2つあります。正確な数は調べきれてません。というのも、いわゆる正式認定の役割を担うL’associazione nazionale Alberghi Diffusi(アルベルゴディフーゾ協会 通称 ADI)という大きな団体があるんですが、何らかの事情でそれに加盟していなくても、そのコンセプトを汲んで運営しているAlbergo Diffusoが他にも結構存在しているようだからです。
(自力で調べてピンしました!位置情報がモロバレですがついでに私が今インターンシップに行っているサルデーニャの場所紹介も兼ねて)
2011年の世界規模の旅行ビジネス見本市への出展や、様々な情報誌への掲載をきっかけに、業界の中では注目度が上昇中です!とはいえ、一般の人はあまり知らないみたい、、、(イタリア人日本人合わせて、私の知り合いではほぼ知ってる人いなかった)
ただ、名称は広まってないけどそれに影響を受けた取り組みはすでに認知されているという場合もあるかと思います(例えば、日本でいうと「まちやど計画」など)。
Albergo Diffusoという言葉自体を覚えて欲しいわけじゃないけど、地域活性化×観光という考え方の先駆けとなった考え方であることは間違いないので、これをきっかけに、そのような取り組みに(同時にイタリアのちょっと違う一面にも)魅力を感じる人がもっともっと増えるといいなあと思う次第です。
ちょっと今回は集めた情報ばかりであまり面白くないかもしれないんですが、これから実際にADの紹介やADでのインターンで感じたことを書くのに当たって少し補足になるかなと思って、書きました!
最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
※イラストはわかりやすいものをウェブから拝借いたしました、写真は全て自分が撮ったものです。また、情報、データはADIの公式ウェブサイト、公式本、ADのマネージャーから直接聞いた話を元に書いています