オアフ島フォトスケッチ2
〜この島がくれたもの〜
「ペプシコーラとチーズポップコーン」
初めて手にしたパスポートで訪れたのがハワイだった。
まだ10代。当時は「アメリカ」の方ばかり見ていた気がする。
その頃の人気ドラマは、なぜか主人公が最終回にアメリカに行ってしまうというパターンが多かった。「とりあえずアメリカ」。行ってみたら何かが見つかると当時の若者は信じていたのかもしれない。
ハワイではプナホウスクールに隣接する女子寮に宿泊した。荷物を置いたらすぐに外に飛び出し、「アメリカに来たんだ」とワイルダー通りを山に向かって歩いた。しばらく行くと左手に小さな商店があった。
「そうだ、あれを買おう」
中に入ってしばらくウロウロし、お目当ての物を見つけた。
ペプシコーラとチーズポップコーン。
以前読んだ雑誌のインタビューで、マドンナが貧乏だった下積み時代に、空腹を癒すためにこの2つをよく買っていたと話していた。なぜかそれがずっと頭から離れず、「ハワイに着いたら、まずこれを買おう」と決めていた。
さっそくコーラを飲んでみる。ちょっと甘すぎた。指にべっとりついたポップコーンのチーズがやけに鮮やかなオレンジ色だった。
「これがアメリカか」
渡米1日目にして日本が恋しくなった。