【古くて新しい 霧島神宮駅】
July 04,2024
今日は、
ミニチュア乗り物の世界から離れて...
新たな息吹を与えられた、
JR九州日豊本線の駅
“霧島神宮駅”
へ行った記録を
残したいと思います。
国鉄デザインから
水戸岡デザイン、
そしてIFOOデザインへ
霧島神宮駅は、
1930年(昭和5年)7月10日に開業。
あと6日で、94歳の誕生日。
今の駅舎になったのは、
1966年(昭和41年)2月で、
あと2年もすれば還暦を迎える古い駅舎で、
エクステリアが、
霧島神宮をイメージしてリデザインされたのは、
2004年(平成16年)2月21日のことで、
JR九州のデザイン顧問の水戸岡鋭治先生によるものでした。
そして、58歳になった2024年、
株式会社IFOO @ifoo_architect
さんの手により、
エクステリアデザインはほぼそのままに、
インテリアデザインが大きく変えられました。
駅舎内に入ると、
建物のセンターには、
コンクリートで新たにつくられた
クールな感じの改札ゲートがあり、
ホームへ誘う低い天井のトンネルと、
駅舎の高い屋根との間に出来た“差”に
一体感を持たせてくれる
杉の木の梁が張り巡らされていて、
その杉から香る、まだ若い息吹を
吹き込まれたばかりの“木の香り”が
してくるのがいいんです。
駅舎内は、
向かって左手に
corai 慈慈
(https://www.instagram.com/corai_kirishima?igsh=OTU5MmtnaGQ1cHQy)
さんによる
職人芸の光る魅力あふれた
工芸品が展示販売されているコーナーがあり、
その反対側には、
厳選された素材と手づくりを大事にする
Quili(きり)さんによる
クレープをメインにしたカフェがあります。
ここでは、
自家製のチョコレートや、
厳選された小豆をつかったクレープがあり、
スタッフさんの説明にも力がこもり、
その解説を聞いた上でいただく、
クレープは、やっぱり美味しい。
クレープをいただいたあと、
何気なく見回してみると、
このQuiliさんのカウンターと
長手の椅子の下には、
かつてレールの下に敷かれた
コンクリート製の枕木が、
新たな“就職先”として働いていることに気づき、
屋根を走り、ベンチにも使われた鹿児島の杉の木が
呼応し合って、いいアクセントになっています。
石の文化の南九州
貨物倉庫だった石蔵
の中での一期一会
さて、
食べたら歩きましょう。
駅舎を出て都城、宮崎側のいわゆる“上り”方向へ。
赤い提灯が、坂道を登るように誘います。
登り終えると、
そこに広がるのは、
かつて保線車両たちがいた小高い丘。
その先には、
保線区だったか、
あるいは貨物取扱所のものだったか?
記憶が曖昧なのですが、
骨組みとうねりをもつ屋根が特徴の倉庫と、
溶結凝灰岩を丁寧に職人が彫って成形した石蔵が。
前者の骨組みとうねりのある屋根だけの吹き曝しの倉庫
の下には、お洒落に木でお化粧が施された
リヤカーと木の椅子達が置かれています。
今日は平日でイベントはなかったのですが、
イベントのある日には、
このリヤカーや木の椅子達が楽しげに並べられ、
何が楽しいことが行われるようです。
さて、
メインの石蔵に行きましょう。
石蔵には、
IFOOさんが営まれているらしいカフェバーと、
天地人さん
( https://tenchijin-g.jp/ )
のギャラリーがあります。
石蔵のエントランスでは、
スマホを片手に、
熱心に何かの紙を撮影されている
若い女性が。
彼女に断り、ギャラリーの中へ。
石蔵の手彫りの石たちを生かした内壁には、
力強い線を中心に用いて描かれた女性たちの絵が。
ここのスタッフの若い女性に、
そのアーティストさんが、
実は人気のアーティストさんで
あることを知りました。
既視感はありながらも、
街中ではスルーしてしまうアートも、
ここではしっかりと主役を演じていました。
ギャラリーを守る彼女は、
アートはもちろんですが、
アーティストさんへのリスペクトや大事にする姿勢が
とてもとても素晴らしい。
こんな人に、自分のアートを、
そして自分を紹介してもらいたくなる。
若い言葉は、やっぱり刺さり方が違います。
新鮮でいい。
彼女と仕事をするには、
どうやらここのオーナーさんの
お眼鏡にかなわねばならないらしい。
最近、
作品づくりが滞っており、
なかなか新作を出せていないのですが、
彼女の熱い眼差しや熱意に触れた後は、
疲れた体でも、
制作への触手が動くのだから不思議です。
最近は、
平面から立体へと気持ちが動き、
どうしても、“木の乗り物おもちゃ”をつくりたくなります。
石蔵に新たに据え付けられた長手のカウンターの上で、
木から生まれた乗り物たちが、
子どもたちの手の中で遊ばれたり、
ちょっと疲れたら、
お得意の紙芝居を聞いてもらいながら、
一緒に遊んでみたい。
夢は見るもの
目標は実現させるもの
早速行動に移してみたい。
新たな仕事の
パートナーとの出会い
実は、
霧島神宮駅駅舎内の、
corai 慈慈さんでは、
山桜で丁寧につくられた
万年筆と出会いました。
新たな作品はこの万年筆で。
万年筆は、
透き通るような白さが美しいものから、
既に飴色になっているものまで様々でした。
重さも、
コンマいくらかの差ながら、
違いがあり、
それは魔法の杖を選ぶように、
自分の手に馴染むものを選ばせて
いただきました。
今日、
お日様が登ったら、
その万年筆にインクを馴染ませて、
絵を、文字を書いてみよう。
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