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前世はハゲ!?
人には言えないが、
どうやら自分の前世はハゲオヤジだったらしい。
というのも
ある日ある時、自分の記憶の中に
すでにその記憶が入っているのに気がついたから。
その『記憶』↓
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聴衆が帰った後の暗い舞台の上で
激しくピアノを弾いている。
脂ぎった禿げオヤジ。
だけれど、間違いようもなくそれは自分だと分かっている!
抑えきれない怒り。
…人には言えない。
嫉妬。
いろいろなものが混ざり合った怒りの感情。
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その『記憶』に出会った時の自分は
テカテカのオヤジな自分にショックを受けた。 …キモイしw
時はいつだろう、中世?
たぶん、ドイツ。自分は作曲家らしい。
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成功し、有名になっても、ちっとも楽しくない人生。
嵐のようにピアノを弾きながら
いろいろなシーンが頭に浮かんでは消える。
物心ついたときから
レッスン漬けで、遊ぶこともできなかった。
恋愛など、別の世界のことかと思うくらい縁が無かった。
ひたすら音楽の道を歩いてきた。
ある時 入門してきた美しい弟子。ど真ん中。
自分とはあまりにかけ離れた彼女の若さと、彼女の婚約者。
幸せに恍惚となるような時間と
苦々しいあきらめにさいなまれる想い。
人並みの人生を歩いてこなかった自分には
なすすべも無い。…それにもう、 年老いた。
また音楽界においては
若いライバルの存在が目障りだとしか言いようもない。
自分が一流であるがが故に分かってしまう、
聴衆がまだ気がつかぬ彼の天賦の才能を嫉妬し、呪詛している…
自分はその時代の確固たる成功を手にしているのに
レールの上から少しでも外れることができなかった自分を怒り恨んでいる。
作曲や演奏と切り離した自分を想像できないほど
音楽そのものである自分だけれど
悩み苦しみ格闘する音楽など、関係のない人生を送りたかった!
と心の底から叫び声が聞こえ続けている。
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それは今この瞬間に生きていることより
ずっとリアルな、(音楽家である自分の)激しい感情を感じていた。
そしてその後、すごく疲れた…
(感情的になって泣き喚いた後のように)
・・・ハゲだしw
私は音楽は嫌いではないけれど
クラシックの分野だけは、生では聞けない。
たぶん超一流の演奏ならOKなんだろうけれど
へたくそな演奏を聞かされると
「ヤメロー!!」と叫びだしたいくらい居ても立ってもいられなくなり、
その苦痛に耐えられない。
…まさか、前世がその当時のエライ先生だから??
中学生くらいまでは異性の男性より美しい女性が好きだった。(思春期の特徴かも知れないが)…それも??
まあ、なんだ、自分がハゲ…
じゃなく、(大)音楽家だったことで妙に納得する部分もあったけれど
キモいオヤジだったことにはショックは隠せない。
でも妙に腑に落ちてスッキリしたのは確かなのだ。
今は平凡なお気楽極楽な人生なのは、有難いことなのだと思う。