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どんなに好きでも休みたいときはある

料理が好きで、子供たちの就職を機に調理員に転職をして10年。
今は姑の介護や農業をするために辞めてしまったけど。

実家にいた頃は料理はほとんどやっていませんでした。
わたしは8歳上の姉と6歳上の兄がいる3人兄弟の末っ子。
しかも歳の離れた末っ子ということでとにかく両親からは可愛がられて育った記憶があります。

姉はわたしが15歳の時同じ市内に嫁ぎました。
高校生になったわたしは、毎日お弁当を持って行っていたのけれど、母が作ってくれるおかずを詰めるだけ。

両親はりんご農家をしていたから常に家にいて、家事は農作業の傍ら母がしていました。
わたしは、たま~にお風呂掃除をするくらい。
あとは、食器洗いもわたしの役割りだったかな。

でも、お菓子作りは好きでよくクッキーを作っていました。
自分がやりたい時しか台所には立ちませんでした。

そんなこんなで20歳になったら、今度は兄が結婚して同居することに。

料理上手な義姉だったのでますます台所から遠去かるわたし。

そこから5年後。
わたしもめでたく結婚。

これまた義母に義祖母に義妹と女4人となったのです。

勤めに出でいたわたしは、朝ごはんの支度を義母と一緒にしながら夫とわたしの2人分のお弁当を作るのが担当。

夜ご飯はパートで早く帰宅する義母か家にいる義祖母が作ってくれていました。

休日に夕食作りを任せられる事があっても何を作るのかは義母からの指示でした。

当時はスマホなんてなくてレシピを知りたいなら料理本を見るほかなかったので、作る料理と作り方を教えてもらえることは有り難かったかな。

子供を出産して子育て中は仕事を辞めて家にいました。
その間は毎日の食事作りはわたしの担当になりました。

最大で9人家族!

お弁当も義父と夫の分があったのでお米は朝に一升、夜に5合炊いてたんです。

その頃から少しづつ本を見ながら料理のレパートリーを増やしていきました。

2人の息子が就職して、下の子が家を出たのと同時にわたしはそれまでの仕事から介護施設の調理員に転職しました。

そこで一緒に仕事していた人が実家が旅館で子供の頃から厨房で料理を仕込まられたという方でした。

その人から、料理の面白さを教えてもらったような気がします。

ディサービスだったので夕方早くに仕事を上がれるようになって、自宅でも食事作りはわたしの仕事になりました。

ようやく、自分の城が持てたようで嬉しかった。

昔、昭和のテレビドラマ。
大きなお屋敷の若いお手伝いさんがお嫁に行くことになりました。

お屋敷の奥さまは、そのお手伝いさんを台所から送り出したんです。

ここはあなたのお城だったのだからと。

ほかのところは覚えていないし、俳優さんも誰だったか、ドラマの題名すら忘れてしまったけど、妙にその場面は覚えてるのです。

台所は女の城。

今の世の中、そんなこと言ったら怒られそうだけど。

でも、そんなこんなでわたしは50歳近くになって女城主になったわけです。

仕事でも料理をして、休みの日にも作り置きなどこしらえるのに一日中台所に立っていました。

でも、楽しかった。
野菜を切るのが一番好きな作業。

無心になって食材の下ごしらえをして何品も作り置きを作っていきます。

好きなことを仕事にできて、幸せなことと感謝もしていました。


だけど近頃、その料理が苦痛になる時があるのです。
毎日朝食の後、今夜何食べよう?と一日中献立のことを考えている気がするのです。

我が家には、50半ばの夫、30歳になったばかりの息子夫婦、まもなく3歳になる保育園児の孫に80代の要介護の高齢者がいます。

その全員に合わせての食事作りはなかなかの難儀です。

仕事で調理をしていた時、とても楽しかったのでした。

それは献立が決まっていて、食材の下こしらえをして作るだけだったから。

毎日の食事作りで何が億劫って、献立じゃないでしょうか。

家族に「何食べたい?」と聞いても「なんでもいい」と返ってきます。
それじゃあと、少ないレパートリーから頑張って絞り出した料理を作っても「今日はこれか~」とがっかりされたり。

そうなると、もうモチベーションはダダ下がり。

自分の城で大好きな料理ができて幸せなはずだったのに、義務感だけで嫌々やっている時があります。

こんなはずじゃなかったのにな。

どんなに好きなことも、やりすぎると逃げ場を失って嫌いになってしまうのかもしれないなと感じました。

それでも食事作りは毎日しなければならないことです。

「今夜、何作ろう?」
から解放されるべく生み出した方法は、3日献立。

できれば1週間の献立を立てれれば買い出しなんかももっと効率よくなるのでしょうが、とりあえず3日間の献立を決めることから始めました。

好きなことを好きでいつづけることにも努力は必要なんですね。




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