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僕が今、とっても欲しいもの

転職を機に、ご高齢の方と接する機会が増えた
人生の大先輩とお話できる事が
いつもとっても嬉しい

そんな中、僕の左手薬指にある
結婚指輪をチラリと確認した後
よく聞かれる質問が
「お子さんはいるの〜?」
である

もう笑ってしまうほど
毎回毎回聞かれる

「ご出身はどちら?」と
張るぐらい聞かれる

その都度、いないことを説明すると
「あら、まだなのね〜。でも楽しみねー!」
なんて話が続き
人によっては
「男と女を産み分ける方法があってな」
なんて熱く語ってくれるおじいちゃんもいた。笑

僕ら夫婦は諸々事情があり
今回の人生は、子なし夫婦として
二人で生きていくことを決めた

その分、家族や友人との時間を
大切に生きる人生にしよう

そんな風に考えている

そのため、この問いが来ると
そこまで深い付き合いでは無い方に
「こうこう、こういう理由があって、こんな決断をしまして」
という説明をする必要も無いだろうし

したとしても
相手だって困ってしまうかもしれない

ということで
なんとも難しい質問の一つでもあり
答えに詰まっていた

起点が効く方だと
「いないんです」という僕の一言に
はっとした顔をして
それ以上、何もつっこまず
ささっと話題を変えてくれたりもする
(それはそれで、なんか気を遣わせてしまい
すみませんと思うのだけど)

中々そうもいかないのが、大半

そして大体
いないと話をすると
「奥様はどんな方なの?」
と言う会話から
「そしたらあなた、お子さんが生まれたらきっと
〇〇な子が生まれるじゃない〜楽しみねー!!」
なんて話に発展してしまう

その度に、なんとも言えない気持ちになっていた

なんなら「面倒だな…」
という気持ちすらあり
なんで今時、こんな質問するんだ
相手の立場を考えた質問じゃ無いよな
と大袈裟だけれど思ってしまっていた部分も
多少なりともあったことを
正直ながら告白させていただく

ところがここ最近
ふと思った

こんな仕事の時に数時間しか会わない僕に
気さくに接してくれて
興味を持ってくださり
ありがたい話だよな、と

「お子さんはいるの〜?」

という言葉だけを
そのまま捉えてしまうと
これまで感じてきた感情が
芽生えてしまうのだけれども

よく考えれば
相手は僕のことを、知らない

その中で、必死に共通して話せる話題を
相手なりに考えてくれていたのだろう

なんだか、この言葉に限らず
こういうことって
最近多い気がするな、と

言葉だけを切り取って
その解釈に対し
ああだ、こうだと揉める

それに一喜一憂する

それはなんでなんだろうか?
と考えたときに
相手がどんな気持ちで
どんなことを想い
どんな意図で発してくれた言葉だったのか

そういうことを考える「想像力」が
僕には少し足りていなかったのではないかと
そんな風に思った

それに気づき
一つ一つの言葉を
噛み締めるように受け止め
お話しするようになってから

相手が発する言葉が
とても温かいものに感じるようになった

同じ言葉を投げかけられているのにも関わらず
僕の受け取り方一つで
こんなにも変わるものかと
正直自分でも、驚いた

もしかしたらこれまで
僕が受け取ってきた言葉で
こんな風に、温かい言葉をかけてもらっていたのに
想像力が足りていないがために
その温かさを、取りこぼしていたこと
たくさんあったのではないだろうか

そんなことを思うと
もったいなかったな〜と
本当に悔しくなる

他人に何かを求める前に
自分の受け皿をもっともっと広げていきたい

そのために、今僕は
何よりも「想像力」が欲しい

目の前に広がっている世界は
僕が思っている以上に
もっともっと
ほのぼのできること
で溢れている気がしてきた

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