
汗と土の成長記録~35℃の猛暑と豪雨、1万粒のタネ、ニンジンから学ぶこと~
2025.01.15 髙橋 秀郎
僕がほのぼのハウスに入社したのが2024年9月2日。
10日目の12日にニンジンの播種をゴンベエで行った。
午前中が終わり昼休憩をしていた時、雨雲レーダーから通知がきた。
「14時ごろから雨が降ります」
夏場の播種はタネを撒いてすぐ水をやるのが理想。なので昼休憩の途中で急いで山岡さんと圃場に行った。2人で並んで急いで播種した。少し雨に当たったが何とか撒ききった。なかなかの豪雨だった。


次の日、13日にしっかりと芽を出してもらうために籾殻を撒いた。たしかソウシ君と撒いた気がする。ベテラン鶏舎の前の山になった籾殻を米袋に詰めて軽トラに山積みにして圃場に向かった。真夏の暑い35度くらいの温度の時に大汗かきながらした。そして灌水も一緒に行った。軽トラに動力噴霧器と800Lのタンクを積んだ灌水車に水を軽トラの最大積載量のギリギリOUTの400Lほど溜めて灌水に。しっかりと水をあげないといけないのですぐタンクが空になる。圃場と小屋の往復。夏場の僕の勤務時間は朝6時から12時まで、それから16時から18時まで。夕方の仕事はほとんど毎日灌水をしていた。


播種から1ヶ月後の10月11日、最初の除草を行った。ちゃんと芽が出てくれて小さいものは3センチほど、大きくて20センチほど成長してくれている。ニンジンが育ってくれているということはいらない雑草達もよく育つ。
なので三角ホーで除草を行った。たまに手でもした。陽のあたり方で成長が違い畝の南側の方がニンジンも雑草も成長が早い。この日は朝から晩まで三角ホーを行いとてもしんどかった。畑がとても長く感じた。播種した時、上手くまっすぐに植えられてないので三角ホーもそれに合わせないといけない。1ヶ月前の自分に少しイラッとした。
それから11月シルバーさん達と手取り除草を行った。シルバーさんは根気強く手で除草してくださりとても綺麗になった。僕はあそこまで綺麗にできないと思った。

12月の中旬ごろから収穫が始まった。最初の方は僕が収穫に行けず、
「あ、もうニンジン獲ってるんだー、へー」
くらいの気持ちだった。
そして年を越し、1月15日。圃場の1つのニンジンを全収穫した。掘りとり機をつけたトラクターで畝をひっくり返してニンジンを拾っていく。最初はトラクターでの収穫が初めてなので切れてないがすごく心配しながらトラクターを走らせていた。
1畝、2畝試し堀りをしてみて上手くできていたので3畝目に行こうとした時、集められたニンジンをちゃんと見れた。とても大きかった。太くて重くて綺麗なオレンジ。葉っぱはそれほど大きくないが大きく育っていた。感動してしまった。とても嬉しかった。嬉しくて1人でニヤニヤしていた。
トラクターを終わらせてニンジンを集める作業をした。なかなか時間がかかった。本数が多すぎる。確かに播種の記録では1万粒撒いたと書いてあった。ニンジンが山のようになっていた。

だんだん陽も暮れてきて遅くなりそうな気がしていた。いつもなら、ダルいなと思ったかもしれないが今日は違った。大きなニンジンのおかげで気分が良かったから。疲れも溜まらず足も軽くどんどん動けた。全て葉っぱを切りコンテナいっぱいに詰め込んで軽トラに乗せたら1車でいけた。思ったより少なく感じた。まぁ1本がそんなに大きくないから仕方ないことだが。
これらのニンジンがお客様の元へ届き、食べてもらうことがとても楽しみだ。僕もまだ食べれてないのでまた食べてみようと思う。
大根、レタス、葉物たち、ジャガイモ、ネギ、ニンジン、僕がほのぼのハウスに来てから播種や定植をした野菜達。それぞれ暑い夏の仕事だったから大変だったが、ニンジンがなぜかとても心に残っている。
髙橋 秀郎

