ちょっとだけよっしゃあっていう気持ち
2月後半になると、ほのぼのハウスでは、いつもながらにせわしなく、バタつき始めます。
なんだか少し早い冬眠からの目覚めのようです。
目覚めというか、春が気になって起きてきちゃった…という感じでしょうか。
私たちは、春に向けて、そして夏に向けて種を播きます。
まだ朝晩が冷え込み、車のフロントガラスには氷ができるくらいのこんな時期に…葉物野菜??夏野菜??(そんなこと考えられるかあ!って思う方もいらっしゃるかもしれません。)
小松菜、壬生菜、ほうれん草、水菜、カブ…これらの野菜は畑の畝に直接播き、芽が出るまでの間、寒さをしのぐために不織布で覆います。
それが終わったら、サツマイモの苗作り。サツマイモは、少々小ぶりの芋から芽を出し、つるを伸ばして、そのつるを改めて定植することで育ってゆきます。
そのあとは、レタス、ケール、ナス、ピーマン、万願寺唐辛子、パプリカ、きゅうり、ズッキーニ…。
あとは白ネギ。ネギは、およそ一年かけて、しっかり草取りをしてもらいながら、じっくり土を寄せてもらいながら(土寄せすることで、ネギの白い部分の長さが決まってきます。)、大きくなってゆきます。まだこんなに寒いのに夏野菜なんて!正直そんな風にも思います。
でも、それだけ野菜が育つには時間がかかるし、私たち農家はそれを逆算していくことが必要だなあとも教えられているような気がしています。
実はこの種まき、そしてその後の定植は特に緊張します。
毎日ようすを伺い、芽が出るのを待ちます。
芽が出ると嬉しいです。
10点満点の漢字テストではなまるをもらった気持ちになります。
これがゴールではないと分かっていてもやっぱり嬉しい。
もちろん芽が出ても順調に成長しないものもあります。
虫に食われちゃうものもあります。
その分、元気な芽には凄く喜びと嬉しさがこみ上げます。
最近思うのは、タネを播く人の心持にも大きく左右されているのではないかということです。
根拠も何もないけれど、そんな気がするのです。
わになおこ