本の雑誌社

1976年4月に椎名誠、目黒考二らの手で創刊。従来の書評紙、新聞雑誌の書評ではほとんど取り上げられることのなかったエンターテインメント作品の書評を中心に、本や活字に関するありとあらゆる情報をオリジナルな切り口で提供、月刊誌として毎月10日前後に発売しています。

本の雑誌社

1976年4月に椎名誠、目黒考二らの手で創刊。従来の書評紙、新聞雑誌の書評ではほとんど取り上げられることのなかったエンターテインメント作品の書評を中心に、本や活字に関するありとあらゆる情報をオリジナルな切り口で提供、月刊誌として毎月10日前後に発売しています。

最近の記事

坪内祐三『日記から 50人、50の「その時」』試し読みページ公開!

毎日新聞で2005年4月から2006年4月まで毎週連載として綴られた「日記から 50人、50の「その時」」が、約20年の時を経て、ついに単行本となります。 50回にわたる連載では夏目漱石、三島由紀夫、植草甚一、永井荷風らの50人の日記を元に、その時代や人物を縦横無尽にひもときます。 個人の記録は、社会の記憶──日記を愛する坪内さんだからこそ書けた「これぞ! 坪内祐三」の評論エッセイ堂々の書籍化! 目次 社会の変動を鋭く感知 夏目漱石 明治四十二(一九〇九)年四月九日  1

    • 「あなたにとってラジオとは?」 村上謙三久『いつものラジオ リスナーに聞いた16の話』試し読みページ公開!

      まえがき  私がラジオ本を制作するようになったのは2012年のこと。当時は出版社に所属していたが、携わっていたアイドル雑誌が休刊となったため、新しい企画を立ち上げなければならなくなった。なんとか捻りだしたのが学生時代に熱心に聴いていたラジオ本のアイデア。知り合いのカメラマンから提案された声優案件と合体させ、声優×ラジオでムック本を作り始めた。  アニメや声優の知識がまったくなかった私は、実績のある編集プロダクションに制作を依頼。全体を進行する立場として関わったが、スタッ

      • 宮田珠己『明日ロト7が私を救う』試し読みページ公開

        はじめに  この本は、私がロト7を当てるべく、約10 年間にわたって奮闘した日々の記録と攻略法について書かれたものだ。  もう少し詳しくいうと、奮闘した10 年のうちの後半4年に「私がロト7に当たるまで」と題して『本の雑誌』に連載したエッセイを一冊にまとめたものである。  当初はロトのことだけ書こうとしたのだが、期せずして大事件、すなわち世界的パンデミックが起こり、気がつけばコロナ下のロト攻略生活という得体の知れない内容になった。旅のエッセイを主な生業としているフリーランス

        • @osenti_keizo_lovinson著『センチメンタル リーディング ダイアリー』試し読みページ公開!

          三月十日 『サキの忘れ物』 津村記久子(新潮社)  その夫婦の顔を見た瞬間、「あ。」と思って、一瞬、下を向いて視線をそらしてしまった。  間違いない、あの店のおじさんとおばさんだ。  少しの間、声をかけようか逡巡している間に、向こうから「あら。」と声をかけられる。「あ、覚えてますか?」と問いかけた僕に対して、おばさんは柔らかな笑顔で「あれだけ毎日、ずっとうちの本棚を眺めていた子のことを忘れるはずがないじゃない」と言うものだから、僕は勤務中だということを忘れて思わず泣きそうに

        • 坪内祐三『日記から 50人、50の「その時」』試し読みページ公開!

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        • 宮田珠己『明日ロト7が私を救う』試し読みページ公開

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          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(赤とんぼ)

          タコライスが郷里の味に 赤とんぼ・仲村敏子さん  開南のバス停から、緩やかな坂を下る。「サンライズなは」というアーケード街を進んでゆくと、イエローの外壁が印象的な、こぢんまりとした可愛らしい店が見えてくる。タコスとタコライスの専門店「赤とんぼ」だ。  店主の仲村敏子さんは昭和19年生まれ。西表島で育ち、高校進学を機に石垣島に出る。卒業後は沖縄本島に渡り、ずっと那覇で過ごしてきた。24歳で結婚し、3人のこどもを育てながら仕事を続け、家計を支えてきた敏子さんには夢があった。それ

          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(赤とんぼ)

          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(パーラー小やじ)

          市場に吹き込む東北の風 パーラー小やじ・新垣祐紀さん  沖縄の酒といえば、真っ先に思い浮かぶのは泡盛だ。こう書くと、復帰前を知る世代からは「アメリカ世にはウィスキーをよく飲んだ」と反論があるかもしれない。あるいは、ビール党からは「やっぱりオリオンビール」と声があがるだろう。沖縄で飲める酒も今や多様化しているけれど、「パーラー小やじ」で日本酒を目にしたときは新鮮な印象を抱いた。それも、扱っているのは北国の地酒である。  オーナーの千葉達実さん(43歳)は宮城県出身。仙台にある

          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(パーラー小やじ)

          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(節子鮮魚店)

          鮮魚を肴にちょっと一杯 節子鮮魚店・金城誠さん "県民の台所"と呼ばれる第一牧志公設市場は、建て替え工事に向けて、2019年7月1日から仮設市場で営業中だ。この仮設市場の目の前に、1軒の鮮魚店がある。金城節子さんが創業した「節子鮮魚店」だ。  鮮魚店を始めたのは、なかば必然だった。  金城節子さんは昭和12年、那覇市垣花に生まれた。垣花は“那覇軍港”として米軍基地が置かれているが、戦前には水産試験場や製氷工場が建ち並ぶ漁業が盛んな町でもあり、節子さんの家族も漁業をなりわいと

          橋本倫史『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』試し読み(節子鮮魚店)

          向井透史『早稲田古本劇場』試し読みページ公開!

          まえがき  一九九一年に高校を卒業してすぐに父親の古本屋で働き始めた。店番などの他に、卒業式の一週間後に何をするところかも知らないままに神保町にある業者の市場で週一回働きはじめて古本屋としての一歩を踏み始めた。もうキャリアも三十年を超えてしまったのだなぁと改めて思う。  入る前は古本屋の生活はとても静かなものだと思っていた。店主もお客さんもおとなしく知的な雰囲気の方々ばかりなのだと。しかしながらいざ入ってみると同業者はとてもクセが強い人が多く自分がずっと柔道部として関わって

          向井透史『早稲田古本劇場』試し読みページ公開!

          内澤旬子『カヨと私』試し読みページ公開!

          目次 Ⅰ 海辺の家   14 理由   18 カヨのルール   22 海への道   26 椿のフルコース   30 受容   34 カヨが人間? 私がヤギ?   38 我慢   42 頭突き 46 ドライブ   50 困惑  54 発情  58 逡巡  62 食べる是非  66 交配  70 懐妊  74 出産  78 初乳  82 月夜  86 乳飲み仔たち  90 海へ  94 別離  98 搾乳  102 偶然のチーズ  106 タメの友だち  110 II 移転と

          内澤旬子『カヨと私』試し読みページ公開!

          西村賢太『誰もいない文学館』試し読みページ公開

          目次 誰もいない文学館 藤澤淸造『根津権現裏』 呉承恩 田中英光『西遊記』 朝山蜻一『キャバレー殺人事件』 大木雄二『童話を書いて四十年』 村山槐多『槐多画集』 倉田啓明『地獄へ堕ちし人』 田畑修一郎『石ころ路』 宇留野元一『樹海』 大坪砂男『閑雅な殺人』 久鬼高治『北十間川夜話』 横川巴人『夢 横川巴人作品集』 尾形亀之助『雨になる朝』 川村花菱『川村花菱脚本集』 尾崎一雄『子供漫談』 城昌幸『みすてりい』 八木義徳『美しき晩年のために』 藤森淳三『文壇は動く』 佐々木味

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          本屋大賞ができるまで(仮) 第2回

          第2章 世界でいちばん熱い夜第4話 実行委員会に立ちはだかる壁  実行委員会を立ち上げ、会議を開くにあたって最初にぶち当たった壁は、会議をする場所がないということだった。 「本の雑誌社さんじゃ無理ですよね?」  思い浮かんだ書店員さんに誘いの電話やメールを入れ、実際に会って相談しながら実行委員会のメンバーが決まってきた頃、博報堂の中野さんから会議をする場所について相談を受けた。 「本の雑誌社ですか...」  流れ的に本の雑誌社でするのが一番無難だろうし、ぼくも会社にいればい

          本屋大賞ができるまで(仮) 第2回

          本屋大賞ができるまで(仮)

          第1章 それは飲み会から始まった第1話 朝の電話が世界を変える  午後は本屋大賞実行委員会の中野さんと内田さんがやってきて、20周年に向けての打ち合わせ。思い返せば20年前、この二人(+志藤さん)と新宿の陶玄房で飲んでいたところから本屋大賞は始まったのだった。 あのとき(2003年1月下旬)はこの「WEB本の雑誌」でPOP王の連載を始めるにあたって運営の博報堂の中野さん(43歳)とシステムのユーピー(当時はBDI)の志藤さん(30歳)にPOP王こと三省堂書店・内田さん(3

          本屋大賞ができるまで(仮)

          「本の雑誌」2022年5月号発売!

          その前口上もしくは編集後記の後記 今月の特集は「出版業界で働こう!」です。実は私、娘が大学4年生となり、いわゆる就活の時期を迎え(実際には就活していない)、いろんな話を聞いているうちに現代の就活自体に俄然興味が湧き、このような特集を組むことにしました。 いかんせん私自身はまともな就活をしたことがありません。高校卒業後2年間フリーターをした後に、父親の町工場を継ごうと機械設計の専門学校に通い、なんと学校長賞を受賞するまで設計・製図に夢中になりました。 ところが卒業が近づい

          「本の雑誌」2022年5月号発売!

          五臓六腑に沁みわたる酒場エッセイの至宝! 大竹聡『ずぶ六の四季』(本の雑誌社)試し読み!!

          少し飲むのは、得意ではない。 飲めばたくさん、が、私のスタイルだ。 お酒をください。 「週刊ポスト」(小学館)の人気連載「酒でも呑むか」が、待望の単行本に。かつて酒場の店主に言われた「人生、焦るなよ。自然に生きるんだ」を胸に、文章に向かい合ってきた大竹聡さんがたどり着いた、五臓六腑に沁みる渡るエッセイの至宝です。代表作となるべく、カバー・表紙の挿画は盟友・牧野伊三夫さんが描いてくださいました。 「なるべく店の邪魔にならぬように静かにのんでいるうちに、ああ、ここのつまみ

          五臓六腑に沁みわたる酒場エッセイの至宝! 大竹聡『ずぶ六の四季』(本の雑誌社)試し読み!!

          作家になるのは簡単? 作家でいるのは超大変! 鈴木輝一郎『印税稼いで三十年』試し読みページ公開!

          ベストセラー作家の教えなんて参考にならない。彼らは天才なのだから。 賞とは無縁。書評に取り上げられることも滅多にない。担当編集者から「何もしなければ消えてしまう」「次の作品の返本率次第では弊社からは刊行できかねます」とまで言われた小説家・鈴木輝一郎だからこそ教えられる作家サバイバル術。 果たして待っていたのはベストセラーか、あるいはアルコール漬けの日々か。あなたはそれでも印税の夢を見ますか? 「本の雑誌」の人気連載「生き残れ!燃える作家年代記」に倍以上の書き下ろしを

          作家になるのは簡単? 作家でいるのは超大変! 鈴木輝一郎『印税稼いで三十年』試し読みページ公開!

          書評誌「本の雑誌」が初めて作る10代向けブックガイド『10代のためのための読書地図』(7月上旬発売)の目次や試し読みページを公開!

          つらいときも さびしいときも たのしいときも どんなときも 本がある。 書評誌「本の雑誌」初の10代向けのブックガイド。「朝の読書」や「夏休みの読書感想文」対応の「本の雑誌が選ぶ10代におすすめする100冊座談会」から「ジャンル別10代おすすめ本ガイド」、全国書店員さんがおすすめする10代に読んでほしい本&10代のときに読んでおきたかったと後悔した本など、興味を引きやすい角度から本を紹介。 また本屋さんでの本の買い方・探し方ガイドや本好きのためのハローワークなどなど、

          書評誌「本の雑誌」が初めて作る10代向けブックガイド『10代のためのための読書地図』(7月上旬発売)の目次や試し読みページを公開!