【編集先記】ここだけの化石が地味にスゴイ!徳島県立博物館編vol.1
こんにちは。編集長です。
今、本を作っています。
どこから刊行される誰の何という名の本かはまだ明かせませんが、今これを読んでくれているあなただけにちょこっとお教えすると、
「全国の博物館・科学館を巡りながら、そこにある一つの化石について、鑑賞ポイントや展示までの物語、発掘地や種の生態などを著者目線でとことん解説してしまおう」というコンセプトの本。
この説明だけですでにワクワクしますね。
先日は山形県立博物館にお邪魔して、ヤマガタダイカイギュウ(+α)を取材させていただきました!
そして今回向かったのは……
ジャジャン! 徳島県立博物館!!
県立の総合博物館なので、化石や自然史の展示だけでなく、徳島の民俗、考古、歴史なども網羅した博物館なのですが、小耳に挟んだ情報によると、とにかくここは化石がアツい!そう。
案内役には徳島県立博物館が誇る地学三銃士、中尾賢一先生(貝)、辻󠄀野泰之先生(アンモナイト)、小布施彰太先生(ワニ)が揃って対応してくださるとのことで、これは贅沢濃密な化石ツアーになりそうです。
※括弧内はご専門
本日はお世話になります!よろしくお願いします!
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徳島恐竜コレクション
では早速、玄関正面の階段を上がって常設展示のある2階へ参りましょう。
ここは徳島県勝浦町の発掘調査で見つかった恐竜化石に基づく展示コーナー。
3体の恐竜の骨格模型、縮小版の生体模型のほか、勝浦で実際に見つかった白亜紀の恐竜や脊椎動物の化石がガラスケースの中に並べられています。
勝浦では、イグアノドン類、ティタノサウルス形類、獣脚類と、大きく3種類の恐竜化石が見つかっているそうで、なるほど、後ろの骨格模型はそれらに近い仲間の世界の恐竜たちが展示されているのですね。
それにしても、プロバクトロサウルスはともかく、コンカベナトールとかマラウィサウルスとかやたらとマニアック……!
特にこのコンカベナトールは、福井県立恐竜博物館が特別展のために産状から立体復元した骨格模型の型を借りて作ったもので、他ではなかなか見られないシロモノだそうですよ。
もてなしの心、プライスレス
勝浦の発掘調査は毎年行われていて、2021年には日本最古級のイグアノドン類の尾椎も発見されました。それまでは歯の化石ばかりだったので、体の化石は大発見!
ただあれですね、最近では日本でも全身のそれなりの骨が揃った恐竜化石が見つかったりしているので、「初めて尾椎を発見!」と聞いてもピンとこないかもしれません。
でも実はここ徳島から恐竜の骨が見つかるということが、もうすごいことなのです!
その理由についてはvol.2で解説するとして、まず驚いてもらいたいのが、これ、実物化石を展示しています。
それどころか、
「ここにある勝山の恐竜化石は全て実物です」
と小布施先生。
これも、これも…?
なんて太っ腹……!
せっかく来てくれたのだから、出し惜しみせず実物化石をお見せしたいという、博物館の心意気、サービス精神、もてなしの心がビンビン伝わってきます!
その気持ちに私も応えなければと、シャッターを切る手を止められませんでした(興奮するとピントが以下略)。
さて、化石ではありませんが、もうひとつ、この博物館のもてなしの心がつまったサービスを紹介させてください。
「遊山ナビ」という神アプリで、なんと恐竜ARが楽しめます!
骨格模型の前に蘇る恐竜…!しかも動く!!
お手持ちのスマホなら一緒に自撮りもできちゃうし、スマホがない方にはタブレットを貸し出しているとのこと。
ARはここ以外にも館内にいくつかスポットがあり、また、遊山ナビは音声ナビやVRなどのサービスも充実しているので、スマホやタブレットをお持ちの方はもう絶対にダウンロードを済ませてからの来館をお勧めします!
写真がちゃんと撮れるまで、ずっとタブレットを持っていてくださった小布施先生、ありがとうございました!
さあさあ、ツアーはまだ始まったばかりです。次の化石は誰かな〜?
ここだけの化石が地味にスゴイ!徳島県立博物館編vol.2へ続く