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和魂洋才、モダンな津山|倉敷・津山ユニーク建築探訪特集
1603(慶長8)年に立藩した津山藩の城下として整備された岡山県北部の津山は、江戸時代後期から優れた洋学者の輩出で知られ、今も町を歩けば、進取の気風を物語る建築に出会うことができます。城を中心に商家が多い「城東地区」に現在建てられている「津山洋学資料館」に訪れました。(ひととき2024年7月号 特集「【特集】倉敷・津山 ユニーク建築探訪」より)
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城東地区は、1階の庇がそろった町家が並び、なまこ壁や出格子などの建築様式が見られる。このエリアには、幕末、ペリーが持参したアメリカ合衆国大統領の親書を翻訳、プチャーチンの長崎来航時には対ロシア交渉使節に同行するなど、日本の近代化に大きく貢献した洋学者・箕作阮甫の旧宅がある。その敷地隣には現在、「津山洋学資料館」が建てられている。
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津山藩と洋学は縁が深い。
津山に初めて洋学を紹介したのは、江戸詰の藩医・宇田川玄随だった。以降、江戸期にベストセラーとなった解剖書「医範提綱」を著した宇田川玄真、「日本近代科学の生みの親」と称される宇田川榕菴、箕作阮甫と、その養子で幕末の外交交渉で活躍した箕作秋坪など「津山洋学五峰」と呼ばれる優秀な洋学者が育った。その子孫も多くは学問の道に進み、秋坪の三男で動物学者となった箕作佳吉は、御木本幸吉にアドバイスをし、世界初の真珠養殖を成功に導いている。
資料館は、五峰にちなんで、建物や調度品に五角形を使った斬新なデザインだ。
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「津山の洋学は日本の近代化に大きく貢献しました。地域の人たちはそれを誇りに思い、伝統的な町並みとともに語り継いでいるんですね」
案内人=上田恭嗣
文=ペリー荻野
写真=荒井孝治
──古来、山陽道の要衝として栄えた岡山県には、江戸時代の蔵や開明記の足跡を残す近代の建物がたくさん残っています。本誌特集「倉敷・津山ユニーク建築探訪」では、岡山県の建築史に詳しい上田恭嗣さんの案内で、美観地区として知られる倉敷の大原美術館や、倉敷に皇族を迎えるための場をつくろうと大原美術館の5倍もの費用を投じて完成させた「有隣荘」、津山の名所を訪れます。美しい写真と共に、ぜひお楽しみください!
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<目次>
●町並み美術館 倉敷
●column1 倉敷の景色を造った建築家
●和魂洋才、モダンな津山
●column2 津山の景色を造った建築家
【津山へのアクセス】 山陽新幹線岡山駅から津山線快速で約1時間、津山駅下車
津山洋学資料館
●竣工年 2009(平成21)年
●建築設計 富田玲子
(象設計集団)
[所]津山市西新町5
☎0868-23-3324
[時]9時~17時(入館は閉館30分前まで)
[料]大人300円、65歳以上、高校・大学生200円、中学生以下無料
[休]月曜(祝日の場合は翌平日)、祝日の翌日、12/29~1/3
http://www.tsuyama-yougaku.jp/
出典:ひととき2024年7月号
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