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文学フリマに魅せられて

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自らが「文学」だと信じるものを自由に展示・販売できる「文学フリマ」。さまざまな書き手と読み手がつくりあげる空間は、回を重ねるごとに熱気を帯び、文学作品にかかわる多くの人々を魅了し…
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千差万別の生前弔辞集『お悔やみ申し上げません』|文学フリマに魅せられて(第6回)田中理那さん

──今回上梓された『お悔やみ申し上げません』は、一見センシティブなテーマに見えますが、書き手それぞれの編集者・北尾修一さんへの思いが伝わってきて、読んでいて胸が熱くなりました。この「生前弔辞集」という企画はどのようにして生まれたのでしょうか。 田中:実は、今回で「百万年書房」として文学フリマ東京に出店するのは最後にしようと話していて。そこで北尾さんから「最後になんか企画考えてよ」と言われたんです。その瞬間に北尾さんの弔辞集をつくりたいなと思ったんですが、その場で言うと怒られ

“本のまわりの困りごと”を共有するZINE『おてあげ』が目指すもの|文学フリマに魅せられて(第2回)竹田純さん

──はじめに、「困ってる人文編集者の会」はどのようにして生まれたのでしょうか。 竹田さん:もともとは、朝日新聞社の「じんぶん堂」という本の情報サイトで開催された若手編集者の座談会に3人で登壇したことがきっかけです。イベントが終わった後も、読書会やメッセンジャーを通じてそれぞれの仕事について相談をし合う仲だったのですが、ここでのやりとりをスペースで公開してみようと立ち上げたのが「こまへん」でした。 ──そこから『おてあげ』の創刊まで、どのような経緯があったのでしょうか。