旅はちいさな「生まれ変わり」体験、かも。
最近、無性に旅行に行きたい。特に「ここに行きたい!」というのはないんだけれど、とにかくどこか違う景色が見られるところへ行きたい。ずっと頭の中でぐるぐると旅行に行きたいなぁ、と思い続けているが、今のご時世では、なかなか素直に実行できないところが歯がゆい。
私は、旅行にはそこそこ行ってきたほうだと思う。両親が年に1回くらいの頻度でいろいろな場所に連れて行ってくれたし(当時は反抗期・思春期だったこともあって、あまり楽しいと思っていなかったけれど)、友達とも何度か旅行に行った。
乗り物の中だと飛行機と船が好きなので、それらに乗れると思うだけでも非日常感と特別感があって、なにやら「別世界」に来たような、そんな気持ちになっていたものである。
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北海道には2回ともフェリーで行った。道端で売っていたとうもろこしとじゃがいもがおいしくて、あの味が忘れられない。
青森県、秋田県、岩手県の北東北3県には実はまだ行ったことがない。でも行ってみたい場所が何ヶ所かあるので、近々行きたいと思っている。宮城県は、仙台や松島に家族で行った。そこで何故かカメを買って、「まっちゃん(松島で買ったから)」と名付けてかわいがっていた。でも7年くらい経ったある日、まっちゃんは日向ぼっこ中に脱走して姿を消してしまった。何日も探したけれど、ついぞ戻っては来なかった。切ない思い出だ。
関東地方は全部行ったが、ずっと茨城に住んでいて近かったので、気合を入れて旅行!という感じでもなく、日帰りで行くことが多かったように思う。
北陸地方は、新潟には友達とスキー旅行に行き、サザエの串焼きを食べてじんましんが出た。今では笑い話だ。富山には黒部ダムを見に行ったが、暴風雪になってしまって、ダムの直前で引き返さざるを得なくなり、結局ダムは見られなかった。代わりに石川県の兼六園まで足を伸ばした。天気は悪かったけれどきれいだったなあ。あと、日本海側の地域の魚介のおいしさはピカイチだと思う。
中部近辺は、長野は戸隠で忍者の修行をして(?)、岐阜の飛騨高山ではさるぼぼを買って飾り、山梨では富士急ハイランドで絶叫して。箱根にも行ったな。静岡は友達に会いに行ったし、家族で伊豆と伊豆大島(大島は住所的には東京かもしれませんが)に行ったときは小型セスナに初めて乗れて大興奮だった。カピバラもウサギも可愛かったし。
近畿地方は結構偏りがあって、大阪、奈良、京都のあたりしか行けていない。最初に大阪に行ったとき、言葉があまりに違うのでホームシックになった。今だったらどう感じるのかな。
中国地方は広島と宮島だけ。私は海上自衛隊と海上保安庁が好きなので、軍オタの友達と一緒に潜水艦と江田島の第一術科学校を見るのが目的だった。広島風お好み焼き、おいしかった。戦争の史跡も必ず見るようにしている。友達は、平和記念資料館を最後まで見られずに外に出た。私もいろいろな思いが湧き起こった。
四国は愛媛のみだけど、高知に友達がいたので地元のおいしいものをうちまで送ってくれたことがある。カツオ人間、衝撃だったな。四万十川は一度この目で見てみたい。
九州は全域を修学旅行で回った。景色も空気も関東とは違う。これは沖縄も一緒だ。色の見え方も違って見えた。
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私にとって、旅行の醍醐味は、それぞれの場所の空気を感じることだ。だから、職場の旅行で結局飲み屋にしか行ってないとか(うちの勤務先は未だに課内の無礼講旅行という文化が存在する)、研修で県外に行ったけど研修所に缶詰で外に出られなかった、とかそういうのは「旅行」ではない。
場所によって、空気の密度も匂いも違うし、緑の濃さも違って見える。そういう変化を全身で感じて、そこに実る野菜や穀物を食べて、場所のエネルギーをもらうような感じ。あとは、そこに住む人と会って話して、そういうことからも自分の凝り固まった考えとか流れとかを変化させてもらえる気がする。
ちょっとだけ、自分自身が「生まれ変わる」ために、私は旅行に行くのだと思う。そう思うと、今の私は「旅行に行きたい」と言いながら、自分を変えたい、「イマ」を変えたいと思っているのかもしれない。
「ちゃんとした旅行」にはもう4年くらい行っていないけれど、今年はどこかに行けるといいな。自分の中に新しい風を吹かせられるように。
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