相性は「好み」より「テンポ」が重要?
人との相性を語る時、「価値観が近い」とか「考え方が似ている」とか、あるいは「好きなものや嫌いなものが同じ(好みの一致)」というように、思考や考え方が一致している場合に相性が良いとされることが多い気がする。少なくとも、私はそう思っていた。
でも、たまたまweb上で見つけたアンケートを興味本位で見てみたら、そこでは「会話のテンポが合う・合わない」が相性の良し悪しを判断する理由の上位にきていた。
これらの理由の中には、相手に気を遣うかどうかや育った環境など、いろいろな要素が含まれているけれど、上のアンケートを見て、私は「テンポとかリズムとか、そういう本能的、動物的なものが一致していると『相性がいい』と思うのかな」と感じた。
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まぁ、それもそうか。人間だって動物だもの。確かに、会話のテンポが合う人とは、話していて楽しいし、話の内容を理解するのも早い気がする。逆に、こちらがゆっくり話したいのにマシンガントークでグイグイ来られたり、そのまた逆で、返事が欲しいのにいつ返事が来るのかわからない・・・というように「会話が思い通りに進まない・成立しない」とストレスも溜まるし、それだけで疲れる。
長く一緒にいる関係においては、お互いに負担を与え合う行為を極力避けないと辛くなってくるので、そういう意味でも「テンポ」というのは非常に大事なファクターなんだな、と思った。
人と人との相性とは、人同士が奏でる音楽なのだ。多分。
人はそれぞれ出せる音色もリズムも違うけれど、だからこそ他の人という楽器と合わさった時、自分ひとりでは作り出せない音楽が作り出せるのだと思う。
私は以前、趣味でピアノの弾き語りを練習していたことがあるが、たまに何人かでセッションすると『ああ、この人とやると弾きやすいな』とか『え~すごく合わせづらいな』とか、相性的なものが顕著に分かったことを思い出す。
相性とは、思考や嗜好の一致だけでなく、言動や行動のリズムの一致というのが重要なのかもしれない。
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私自身の経験に照らし合わせて考えてみる。私は結婚しているが、配偶者である夫とは、思考はそれなりに合うが嗜好はほぼ正反対だ。テンポが合うのか?というと、これも合わない気がする。私が話しかけても聞き流されるし、夫がコンビニに行きたい時、私は行きたくないことが多い。
夫にも聞いてみたのだが、一致ポイントがほぼない。「テンポって合ってると思う?」という質問に対し「合わないね」と一蹴された。笑
こうして文字にしてみると身も蓋もない・・・けれど、それぞれ違うことをしながらずっと同じ部屋にいることは全然平気で、そこが大丈夫だったので結婚できたのだと思っている。要するに、趣味嗜好も、言動のテンポもリズムも何もかも正反対なのでかえってぶつからないのだ。
思うに、相性というのは「波形の合致」のことなので、その波形が一直線(お互いが似ていてストレスがない)か、波形が大きくてもでこぼこが一致していれば「相性が良い」と感じられるものなのではないだろうか。
こういうふうに考えてみると、相性とは実に奥が深い。
私は友人の数も少ないけれど、少数精鋭の友人たちに共通していることは、「連絡を頻繁に取らなくても関係が継続する」ことで、みんなテンポがバラバラだが、バラバラ故にまれにテンポが合致した時にものすごい共感があるというか、共有体験ができるというか・・・尊い感じがある。
全員が私のように「正反対な価値観やリズムに惹かれる」タイプではないと思うので、ここは個人差が大きいポイントだと思う。でも、相性を語る上でテンポやリズムというものが及ぼす影響は思った以上に大きいようだ。
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今回取り上げた「相性」は男女だけに限ったことではなく、友人関係や職場での人間関係など、全てを含むニュアンスで考えてみたが、自分の新たな嗜好の方向性(真逆なものに惹かれる性質)が分かって、個人的に面白かった。
あなたと相性がいい人は、どんなテンポの人ですか?
考えてみると、面白いかもしれません。
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