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【読書記録】結婚前夜の花嫁

 今日は結婚を控えた花嫁の描写が特徴的な三冊をピックアップしました。
取り上げた本に描かれる婚姻はどれも幸せなだけなじゃない予感を含んでいて、だからこそ次の展開を期待させる印象的な描写がきわだっています。
 引用&原文を交えた長文バージョンはこちら(ブログ)https://honnneco.hatenablog.com/entry/2022/05/13/200348

 一冊目は、アメリカ文学の傑作、スコット・フィッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」。昔の恋人のデイジーをセンチメンタル思い続ける成金男ギャツビーを1920年代アメリカの煌びやかさを背景に描いている。デイジーも彼を忘れられないまま別の人と結婚するのだけれど、その前夜の場面は、花嫁と真珠と白ワインの取りあわせがぞっとするように魅力的な描写になっています。

 二冊目はイギリス文学からシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』。類まれな洞察力と意志の力をもったジェインが難しい恋を貫くお話。幸せなはずの結婚式前夜に、彼女は幽霊のような女が衣裳のヴェールを破り裂く不吉な夢を見る。その後の困難を予想させる暗示的な場面です。

 三冊目は桜庭一樹さんの『私の男』。養父と特別な絆をもった腐野花は、サムシングフォーや新婚旅行の南太平洋に呑気に心を躍らせる新郎を少し醒めた目で見ている。心はどこか別の所にあるような描き方で始まり、それから物語は時間をさかのぼって花と養父の過去が徐々に明かされてゆきます。

 世界文学の傑作と呼ばれる作品には、さすが、映像が目に浮かぶような場面が散りばめられています。この機会にちらっとでも開いてみてはいかがでしょうか…!

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