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ポケモンにオープンワールドは必要無いと思う話 #ポケモン

はじめに

ポケットモンスターシリーズは、長い歴史の中で多くのファンに愛されてきた名作RPG。

最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、シリーズ初となるオープンワールドが採用されました。

でも、私はポケモンにオープンワールドは必要無い…むしろその魅力が損なわれていると感じています。

この記事では、その理由について詳しく書いていこうと思います。

共感した人や自分の意見のある方は、是非Twitter(現X)に記事をシェアして頂いて、そこに書いていただけると嬉しいです。

※真面目に書いたので、口調が真面目になっています。
※画像は自慢です。


ポケモンにオープンワールドは必要無いと思う理由

① オープンワールドがストーリーを薄くしている

これまでのポケモンシリーズは、プレイヤーが決められたルートを進むことで、緻密に構築されたシナリオを体験できる、言わば「ウォークスルー型」のゲームデザインが特徴でした。

プレイヤーはストーリーに沿って個性豊かな街を巡り、道中では様々なトレーナーとの出会いや、地域ごとのバックストーリーを知るイベントが用意されていました。

自由度は低いものの、その分、濃密なストーリー体験を楽しめる作品となっていました。

しかし、オープンワールドの導入によって自由度は増したものの、ストーリーの一貫性が薄れてしまいました。

プレイヤーが自由に各地を探索できるため、従来のような決まったシナリオが存在せず、結果としてポケモンの世界を3Dで自由に動き回る体験がメインになってしまったのです。

その結果、ストーリーの重要な瞬間がぼやけ、「冒険の達成感」や「物語の感動」といった従来のポケモンの魅力が失われてしまったように感じます。

ポケモンの世界を3Dで自由に動き回る体験をメインにするならば、VRchat向けにワールドを作成して公開してくれた方がまだ楽しいと思います。

② オープンワールドがポケモンとの出会いの感動を薄めている

これまでのポケモンシリーズでは、草むらや水中、洞窟などを進む際に、どんなポケモンと出会えるかはランダムで決まっていました。

このランダムエンカウントの仕様は、まるでガチャを引くような感覚で、欲しかったポケモンや偶然に出会えた色違いのポケモンと遭遇したときの喜びは、言葉では表せないほど大きなものでした。

しかし、オープンワールドが導入されたことで、どこにどんなポケモンがいるのかが一目瞭然になってしまいました。

リアルな森の中で隠れたり、逃げたりするポケモンを見つけるわけでもなく、水中に潜って探し出すわけでもありません。

ただ、簡素なオブジェクトの上にポケモンが座り、事前に設定された動作を繰り返しているだけです。

広大なマップがあるわけでもなく、ポケモンが密集している状況では、アニメのような運命的な出会いというよりも、ただポケモンを拾い集めていくだけの体験になってしまいました。

こうなると、ポケモンを捕まえることが単なる「お店で商品を選ぶ」ような作業に感じられてしまいます。

このような環境は、ポケモンシリーズ本来の魅力とは合わないのではないでしょうか。

③ オープンワールドとポケモンのバトルシステムの相性の悪さ

今作では従来通りのコマンドバトルシステムが採用されていますが、これはオープンワールドとの相性が良いとは言えません。

オープンワールドゲームでは、プレイヤーが自由にマップを移動しながらリアルタイムでアクションを行うバトルが一般的で、これによりオープンワールドの広がりを活かし、戦闘と探索がシームレスに繋がる体験が可能となっています。

しかし、ポケモンのコマンドバトルは、その自由度を十分に活かせていないように感じます。

コマンドバトルは戦略性が重視されるため、プレイヤーが自由に動き回れるオープンワールドの設定とは対照的で、ゲームプレイが途切れ、テンポの悪い印象を与えます。

これにより、オープンワールドの魅力が十分に引き出されず、結果的にポケモンの独自の面白さも活かされていないのではないかと感じます。

とはいえ、アニメのようにターン制を無視したリアルタイムアクションバトルにすると、ポケモンの戦略性が失われ、単なる格闘ゲームになってしまう恐れがあります。

この点で、オープンワールドとポケモンのバトルシステムの間で、バランスを取ることが非常に難しく、相性が悪いと感じてしまいます。

④ オープンワールド化によってマップが小さく感じる問題

今作のワールドは、オープンワールド化したにもかかわらず、意外と小さく感じるという意見が多く聞かれます。

技術的なことが原因だとして、今後の技術向上で解決される問題だと考える人もいますが、そもそもRPGにおいてマップの大きさを重視しているユーザーは多くないのではないでしょうか。

想像してみてください…アニメのように、道中の道が果てしなく長く、徒歩で進むと数日かかり、ポケモンにライドしても半日から1日を要するような広大なマップを持つポケモンゲームを。

そんなゲームをプレイしてみたいという人の気持ちは理解できますし、MMORPGとして現実サイズのマップを実装し、大人数でプレイするのも面白そうだと思う人もいるでしょう。

しかし実際にそのような要素を実装すると、恐らくクソゲーになります。

RPGの本質はストーリーを進めることにあり、長すぎる移動時間はストーリーの進行を妨げる要因になり得ます。

そのため、移動時間をできるだけ短縮しつつ、プレイヤーが退屈しないようにイベントを配置し、マップが狭く感じない工夫が施されています。

今作では、ミライドンやコライドンにライドすることで、自由にどこへでも移動できる仕様になっていますが、この自由度がかえってマップの狭さを際立たせてしまう結果となっています。

自由に動き回れる一方で、プレイヤーがあっという間に各地を回れてしまうため、ワールド全体が小さく感じられてしまうのです。

結果として、オープンワールドでありながら、移動と探索のバランスが悪くなり、広さを感じにくい世界が出来上がってしまいました。

この点も、オープンワールド化がポケモンシリーズに適していない理由の一つと言えるでしょう。

⑤ オープンワールド化による小さいポケモンの邪魔さ

オープンワールド化したことで、ポケモンの世界を自由に探索できるようになりましたが、その反面、小さなポケモンが邪魔に感じることが増えてしまいました。

従来のポケモンシリーズでは、草むらや特定のエリアでポケモンと遭遇する仕組みが主流で、どのポケモンと出会うかはある程度予測がつきました。

しかし、オープンワールドでは、マップ上に大小さまざまなポケモンがリアルタイムで配置されており、その中でも特に小さなポケモンが視界に入りやすくなっています。

これにより、探索中に意図せず小さなポケモンにぶつかってしまい、思わぬバトルに突入してしまうことが頻繁に起こります。

これは探索のリズムを乱し、プレイヤーにとって煩わしい体験となることが多いです。

この点においても、オープンワールド化がポケモンシリーズにとって必ずしもプラスとは言えず、従来のランダムエンカウントの方が、プレイヤーの体験を損なわずに済んだのではないかと感じます。

⑥ オープンワールド化による探索の単調さ

オープンワールド化により、プレイヤーは広大なマップを自由に探索できるようになりましたが、その結果、探索が単調になりがちです。

従来のポケモンシリーズでは、限られた道筋の中でさまざまなギミックやイベントが散りばめられており、プレイヤーは予測不能な驚きや新たな発見を楽しむことができました。

しかし、オープンワールドではマップが広大な分、同じような風景やオブジェクトが繰り返されていたり、同じ3Dモデルを使い回していることが多く、プレイヤーが新鮮さを感じにくくなっています。

特に、探索中に目立ったランドマークやユニークなイベントが少ない場合、ただ広いだけのフィールドを歩き回ることが退屈に感じられることがあります。

これにより、ポケモンを見つける楽しみや探索のワクワク感が薄れ、結果的にゲーム全体が単調な印象を与えてしまいます。

⑦ オープンワールド化による進行ペースのバランス崩壊

オープンワールドの最大の特徴の一つは、プレイヤーが好きな順序でエリアを探索できる自由度ですが、その一方でゲーム全体の進行ペースに影響を与えるというデメリットがあります。

従来のポケモンシリーズでは、プレイヤーが一定の順序でジムを攻略し、ストーリーが進行するにつれて徐々に難易度が上がるように設計されていました。

これにより、プレイヤーは自然な流れでゲームを進めつつ、適切なチャレンジを楽しむことができました。

しかし、オープンワールド化した今作では、プレイヤーがどの順序でどのエリアを探索し、どのジムを攻略するかは完全に自由です。

この自由度は一見魅力的ですが、結果としてゲームの進行ペースがプレイヤーごとに大きく異なり、ストーリーの一貫性やテンポが失われがちです。

例えば、プレイヤーが序盤に強敵のエリアに進んでしまうと、ストーリーの進行に支障をきたす場合があります。

また、逆に簡単なエリアを後回しにしてしまうと、そのエリアのバトルがあまりにも簡単になり、達成感が失われてしまうこともあります。

このように、オープンワールド化が進行ペースのバランスを崩し、ポケモンシリーズの持つ一貫したストーリーの魅力を損なう結果に繋がっています。

⑧ プレイヤー同士の進行度共有が難しくなった

以前のポケモンシリーズでは、プレイヤー同士が「どこまで進んだ?」と進行状況を共有しながら、ゲームを進めることが一つの楽しみでした。

ジムの順番やストーリーの進行に一定の順序があったため、友達同士で共通の体験やエピソードを語り合い、互いにアドバイスをし合うことが自然にできました。

「あのジムリーダーに苦戦した」「あの洞窟でレアなポケモンが捕まえられる」といった会話は、ポケモンをプレイする中での大きな楽しみの一つでした。

しかし、オープンワールド化した今作では、プレイヤーごとに進行の仕方が大きく異なるため、同じタイミングで同じイベントやジム戦を経験しているとは限らなくなりました。

その結果、進行度を共有しながらの会話が難しくなっててしまいました。

さらに、プレイヤーごとに異なる順序で物語が展開されるため、ネタバレのリスクも高まります。

特定のイベントやジム戦に関する話題が、他のプレイヤーにとってまだ未経験の内容である可能性があるため、慎重に話す必要が生じます。

このように、オープンワールドの自由度が、プレイヤー同士のコミュニケーションに制約を生み出し、ポケモンを通じた交流の楽しみを減少させてしまっている事は残念な点です。

⑨ サイドストーリーややり込み要素を見逃してしまう(そもそも数が少ない)

オープンワールド化により、広大なマップを自由に探索できるようになった一方で、サブストーリーややり込み要素が目立ちにくくなり、これらを見逃してしまうことが増えています。

さらに、サブストーリー自体も従来に比べて少なくなっているように感じられます。

従来のポケモンシリーズでは、メインストーリーの合間に挿入されるサブストーリーやミニゲームが、プレイヤーに新たな体験を提供したり、ポケモンの世界をより深く楽しむための重要な要素となっていました。

しかし、オープンワールド化に伴い、メインのストーリーと探索の自由度が強調される一方で、サブストーリーややり込み要素が広大なマップの中で埋もれてしまい、プレイヤーがそれらに気づかずに進行してしまうことが増えています。

その結果、用意されたサブストーリーややり込み要素を体験する機会が減り、ゲーム全体の深みが十分に伝わらない状態になっていたと思います。
(皆さんは全てのトレーナーとバトルして全てのNPCと会話しましたか?)

さらに、コンテンツ自体が少なくなっているため、ポケモンシリーズが本来持つ楽しみ方が制限されていると感じられました。

⑩ オープンワールド化によるレベルバランスの崩壊

オープンワールド化に伴い、プレイヤーが好きな順番でエリアを探索し、ジムやイベントに挑戦できる自由度が与えられましたが、その結果、レベルバランスが崩壊しました。

従来のポケモンシリーズでは、ストーリーの進行に合わせてトレーナーやポケモンのレベルが段階的に設定されており、プレイヤーは適切な難易度でゲームを進めることができました。

しかし、今作では、プレイヤーが序盤から高レベルエリアに進んでしまったり、逆に後半に低レベルエリアを訪れることが可能であり、その結果、バトルが極端に難しくなったり、逆にあまりにも簡単すぎて物足りないと感じることがあります。

このレベルバランスの不均一さは、ゲーム全体の難易度を不安定にし、プレイヤーが一貫した達成感を感じられない状況を生み出しています。

仮に技術的な問題が解決され、動的にレベルが調整される仕組みが導入されたとしても、すべてのエリアがプレイヤーの進行に合わせて均一な難易度に調整されることには別のデメリットがあります。

動的レベル調整が実装されると、どのエリアを訪れても同じような難易度でバトルが行われるため、プレイヤーが「強くなった」と実感する場面や、プレイヤーが冒険中に感じる「ここは危険な場所だ」という緊張感や、逆に「ここなら自分でも行ける」という達成感が薄れ、探索の楽しさが単調になるでしょう。

このように、オープンワールド化によってレベルバランスが崩壊するだけでなく、仮にそれを補う技術的な解決策が導入されても、ゲームの深みやポケモンの魅力が損なわれる可能性があります。


まとめ

ポケモンシリーズとオープンワールドは、表面的には新鮮で魅力的な組み合わせのように見えますが、実際には多くの点で相性が良くないことが明らかになったと思います。

オープンワールドの導入によってシリーズの魅力が損なわれていると感じる点がいくつも存在します。

これらの問題は、ポケモンシリーズが本来持つ楽しさが、オープンワールドという形式によって失われていることを示唆しているのではないでしょうか。

ポケモンシリーズが長年愛されてきたのは、緻密に作り込まれたストーリー、戦略的なバトルシステム、そしてプレイヤー同士の交流による一体感などがあったからこそです。

ポケモンシリーズがその魅力を保ち続けるためには、オープンワールドに固執するのではなく、これまでの強みを最大限に活かしたゲームデザインが必要だと思います。

ポケモンの本質的な楽しさを引き出すためには、革新的な要素を取り入れるよりも、従来の成功を踏まえたバランスが求められるのではないでしょうか?


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