そういう秋
少し先のことを考えられるようになってきた。秋服はなにが着たいとか、そういう些細なこと。
秋服は、カラフルなものを着たい。髪が伸びたので、ショートだとしっくりこなかったスカートを積極的に履きたい。髪を三つ編みにしたり、かわいいヘアピンをたくさんつけたりしたいし、何年か前に買って使いこなせていないブーツを、今年は一軍アイテムとして履きつぶしたい。
今までならやらなかっただろうな、ということ、やりたいと思っていたけど自分には無理だなと蓋をしていたことが、ごくごく自然にやりたいこととしてするする出てくる。
例えば、バッティングセンターに行ってみたい。これはドラマで見て、いいな、と思ったから。飛んでくるボールに、細いバットが当たる原理が分からない。体育の授業で台に乗せたボールを打つこともままならなかった。けど、そういうのは置いておいて、とにかくやってみたい。
あと、受験が終わったら本を作ろうと思う。いつかできたらいいな、とは思っていたけど、いつかなんて放っておいたら一生来ない。できるかどうかも分からないし、何も決めていないけど、わたしがやりたいのでやる。
インドアで一人が好きで、活動的なんてもってのほか!と思い込んでいたが、実はわたしは結構じっとしているのが苦手なのかもしれない。いろいろ自分の特性や性格を、混同して捉えていたんだなと思う。
自分らしく、とはよく言うが、そんなんないな、と思う。自分らしい自分とか、いません。全部幻想。そっかあ、幻想かあ、って感じだ。自分らしさは過去にしかなくて、わたしはたいてい、少なくともここ2、3年分、過去の自分を好きではない。でも自分らしい自分が好きだと思っていたから、自分らしくしていようとして、また間違える。また自分を嫌いになる。
できるとかできないとか心底どうでもよくて、自分らしいとかも全部幻想だとしたら、今までわたしががんじがらめになっていたアレは、一体なんだったんだ?と、馬鹿馬鹿しくなる。でも、馬鹿馬鹿しい自分を嗤っている今の自分は結構好きだ。
自分らしさを嗤いながら、やりたいことをやる。そういう秋にする。
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